松下電工では、こうしたトイレにまつわる話題に関し、1999年から「トレイ使用実態調査」を行ってきました。そして昨年(2006年)、3回目の運びとなりました。今回、この結果を見て、私、ガイドも“その中の1人”だったことが、興味を引いた理由の1つです(笑)。思わず「へぇ~」と、“トリビアの泉”状態でした。トイレが汚れることを嫌がる人が、これほど多いとは正直びっくりです。そこで、今回は男子小用のトイレ事情をご紹介したいと思います。
「座りション」は増えつつも、夫婦間による意識の差も存在
当該実態調査はトイレの商品開発を目的に行われており、関東および関西在住の30歳代~50歳代の夫婦が対象になっています。ご主人(男性)には「ご自身の小用スタイルについて」、また、奥さん(女性)には「ご主人の小用スタイルは?」と、男性の小用スタイルについて質問しています。そして、その結果は以下のようになりました。
図1は、男性が洋式トイレで小用する際、「立ったまま」か「座って用をたす」かの年次別アンケート結果です。直近の調査では約半数が「座ってしている」と答えており、初回と比べて3倍以上に増えていることが分かります。
次に、図2はご主人と奥さんそれぞれに分けたアンケート調査の集計結果です。たとえ奥さんといえども、ご主人の小用スタイルまで知っているとは限らないでしょう。女性は過半数が「主人は座ってしている」と思っているのに対し、いつも座ってしている男性は27%にとどまっています。そしてこの割合、年代別に見ても大きな差はありませんでした。依然、「立っション派」が全体の6割程度と幅を利かせているのが分かります(図3参照)。
男女別による調査結果(図2)に差が生じた原因について、松下電工は「奥さんがトイレ掃除の軽減、あるいは、トイレ空間を快適にすることを目的に、ご主人に座るよう、お願いしているケースが想定できる」と分析しています。トイレ掃除をする奥様方の多くが、ご主人あるいは息子さんのトイレの使い方に“いら立ち”を感じていることが関係しているのでしょう。「座ってしてほしい」けれど、実際は「立ってしている」という現実が、数字の差になって表れた格好です。「被害者」と「加害者」と言わんばかりの構図が見え隠れしている印象です。
しかし、「座りション」が増えてきているのも事実。変化していることは間違いありません。では、なぜ増加傾向にあるのでしょうか? 次ページで、その理由を探ってみることにしましょう。