社会ニュース/よくわかる時事問題

大都市を急襲!「ゲリラ豪雨」の原因(2ページ目)

東京で工事作業中の5人を死亡させたり、高校野球の試合を中止にしたり、全国各地で猛威を振るう「ゲリラ豪雨(集中豪雨)」。ゲリラ豪雨の原因とは? なぜ都市ばかり? そのメカニズムをわかりやすく解説します。

執筆者:志田 玲子

「ゲリラ豪雨」の原因は積乱雲!

画像の代替テキスト
太陽がギラギラ輝いていた空があっという間に曇り、ピカッ、ゴロゴロ! 「ゲリラ豪雨」は、「ゲリラ雷雨」に変身することもしばしば……。
写真提供:skyseeker.net
短時間に局所的な豪雨をもたらす「ゲリラ豪雨」は、なぜ発生する? その原因は積乱雲(入道雲)。地表付近の空気が暖かくかつ湿った状態で、上層に冷たく乾いた空気が流れ込むと大気の状態が不安定になります。この不安定を解消しようと上下の空気が混じり合う結果、積乱雲が発生しやすくなり、局地的な激しい雨を降らせるのです。

また、夏の季節に勢力を強める太平洋高気圧の縁や、夏の風物詩=台風の周辺などでは、大量の水蒸気が流入することで大気が不安定化→積乱雲が発生し、集中豪雨をもたらすこともあり。ちなみに、落雷(雲と地上との間の雷)も発達した積乱雲に伴って発生します。「ゲリラ豪雨」が夏に集中し、「ゲリラ雷雨」に変身するケースが多いのも納得……。

「ゲリラ豪雨」は、ここ数十年で倍増!

ところで、「ゲリラ豪雨」はどの程度増えている? 気象庁によれば、1時間に80ミリ以上の「猛烈な雨」が1年間に発生する回数は、
■1976~87年…… 全国平均で1,000地点あたり10.3回
■1998~2007年…… 18.5回とほぼ倍増!
※ 8月6日付朝日新聞より
つまり、「ゲリラ豪雨」はここ数十年、着実に増えているというわけですね。

そして、上記より範囲を広げて1時間に50~80ミリ未満の「非常に激しい雨」をも含めると、2004年の発生回数はなんと470回! 過去最多の419回(1998年)より50回以上増えています。6月末以降各地で頻発している今年は、さらにありがたくない記録を更新する?

では、「ゲリラ豪雨」が最近増えているのはなぜ? 大都市が狙い撃ちされる理由とは? 一番気になるところを探ってみると……
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