長期優良住宅/長く暮らせる家

住まいの大敵、結露について考えよう(2ページ目)

寒くなると、気になるのが結露です。結露は身体によくないだけでなく、住宅にとっても危険なものなのです。なぜ、起こるのか、どうしたら結露の発生しない家ができるのか、考えていきましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド


内部結露を放置しておくと危険

一時的で、ごく少量の内部結露であれば大きな問題にはなりませんが、湿気が屋外に逃げにくく、常に断熱材や柱などの構造材が湿った状態にあると、カビが発生したり、腐敗が進み、住宅の寿命に影響します。

ですから、内部結露を防ぐのはとても重要なことです。室内の水蒸気が壁の中に入り込まないように施工するには、防湿層を設けるなどの方法がありますが、断熱材の種類や工法によって適切な方法が異なります。自分が検討している住宅メーカーではどのようにしているのか、事前に確かめるとよいでしょう。

結露のない家にするには?

結露のない家にするには、十分な断熱材が入った高気密・高断熱住宅にしましょう。このとき重要なのが施工です。家をすき間なくすっぽりと包むように施工しないと、たとえ高性能の断熱材を採用しても効果は期待できません。

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法律で断熱材の厚さについての規定はありませんが、次世代省エネルギー基準などでは地域による推奨の基準があります
また、開口部は外気の影響を受けやすいので、窓や玄関ドアには性能の高いものを使うとよいでしょう。ガラスは複層ガラスや、Low-Eガラスを使った複層ガラスにします。サッシは室内側と室外側の間に樹脂などの断熱部材を使っている特殊なものや、室内側と室外側に異なる素材を組み合わせた断熱サッシ(樹脂とアルミなど)にするのがよいと思います。

また、結露を防ぐには室内の水蒸気をコントロールすること。それぞれの部屋を風通しがよくなるように窓の配置を考えたり、必要な場所には換気扇を設置しましょう。

生活の仕方にも要注意

冷暖房の際にも、室内の水蒸気に注目してください。例えば、ガスや石油のファンヒーターのように水蒸気を発生する暖房機器は、結露の面からすればおすすめできません。

また、同じ家の中で温度差が大きいと、結露が発生することがあります。納戸や、普段はあまり使用していない客間も、こまめに換気をするなど、生活の工夫が必要です。

さらに、窓辺に洗濯物を干すのも要注意。前述したように窓ガラスは外気温の影響を受けやすいので、湿気の多いものを近くに置くのはよくありません。室内に洗濯物を干す場合は、窓辺を避け、風通しのよい場所で乾かすようにしましょう。
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