注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

第14回 欠陥住宅を見極めるポイント

最近欠陥住宅という言葉があちこちで聞かれます。住宅に欠陥は禁句ですが、家も生き物で、様々な不具合が出てきます。見分け方を知り、原因をつきとめることによって、住まいの不安を解消させましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

お助けWebセミナー 第14回
欠陥住宅の識別チェックポイント
 

欠陥の原因を知って、未然に対応する


一戸建ての欠陥現象にはいろいろなものがあり、原因も多種多様です。
欠陥住宅というと故意に手を抜いた印象がありますが、木の伸縮による納まりの不具合や、養成期間不足などによって起こるケースもあります。大事なことは、その不具合の原因は何であるかをきちんと確認することです。

【欠陥住宅の主な不具合箇所と原因、見分け方】

欠陥箇所 原因 見分け方
雨漏り ・屋根の防水シートの施工不良 ■基本的に雨漏りが発生してから気づくことが多い。

■窓のコーキング、水切り板、ベランダの取り付け部、屋根や外壁の接合部の確認。

■軒の出が少ない。

■しみがないか注意(雨の次の日、屋根裏を覗いてみる。
・窓枠のコーキング不良、水切り板の施工不良
・ベランダの取り付け部の防水不良
・軒の出の不足
・屋根材と屋根勾配のアンバランス
・屋根や外壁の形状が複雑で、接合部が多い
外壁や内壁の亀裂 ・不同沈下 ■軟弱基盤や新しい造成地では、地盤調査の結果を確認。

■工事途中で構造部の施工を確認。

■完成後なら、床下、小屋裏を覗いてみる。
・構造部の納まりの不良
・ドア枠、窓枠の施工不良
ドア、窓の開閉不良 ・不同沈下 ■実際に開け閉めし、ロックしてみる。
・構造部の納まりの不良
・ドア枠、窓枠の施工不良
床、外壁の傾き ・不同沈下 ■傾きが1000分の6以上あれば、重要な欠陥の可能性が高い。
・構造部の納まりの不良
・下地の施工不良
床鳴り ・不同沈下 ■足に力を入れて歩いてみる。または、軽く飛び跳ねてみる。
・構造部の納まりの不良
・仕上材の施工不良
・ムク材の乾燥収縮


欠陥現象で最も多いのが雨漏りです。次いで外壁、内壁のひび割れです。乾式工法(水を使わない工法)であれば心配はないのですが、湿式工法の場合は要注意です。特に最近は内壁に珪藻土(けいそうど)を使う人が多いので、施工者が材料に対してきちんとした知識を持ち合わせていない場合、あとでひび割れが起きて大変なことになるケースもあります。

依頼者ができる対処方法とは。。ガイド佐川がアドバイス!→P2

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