不動産売買の法制度

更新日:2004年01月26日

No.84 消費者契約法と不動産売買−1−

施行から間もなく3年となる消費者契約法ですが、まだ一般の認知度は低いようです。そこで消費者契約法の概要と、不動産取引のなかで適用されるケースなどについて3回に分け説明します。


消費者契約法が平成13年4月に施行されてから間もなく3年が過ぎようとしていますが、まだ広く一般に知れ渡っているとは言い難いようです。そこで今回は消費者契約法がどのような法律なのか、おもに不動産売買の側面からそのポイントをみていきたいと思います。


消費者契約法とは?

事業者と消費者との間における全ての契約 (労働契約を除く) について適用され、事業者の不適切な勧誘行為によって締結された契約は、消費者がこれを取り消すことができます。また、契約条項のうち消費者にとって不当 (不利) となるものは、その契約条項自体が無効となります。

契約トラブルの増加を背景として消費者保護の観点から、これまで民法や商法によって処理されてきた消費者の権利を明確にした特別法ですが、この法律自体は12条からなる簡素なもので、その解釈にあたっては今後に出される判例によらざるを得ない部分も多く残っているようです。


事業者とは? 消費者とは?

消費者契約法でいうところの 「事業者」 とは、法人 (株式会社、有限会社、その他の営利法人、財団法人、社団法人、宗教法人、医療法人、地方公共団体、その他法人格を有するもの) 、その他の団体、事業として (または事業のため) 契約の当事者となる個人のことをいいます。したがって、たとえ個人であっても店舗や事務所の購入・売却や、アパート・マンション・ビル経営を行なう場合などには、消費者ではなく事業者に該当します。

一方、 「消費者」 とは、不動産売買として考えた場合、 「自らの居住用住宅 (または土地) を購入・売却する個人」 です。自ら住まなくても親族を住まわせるなど、事業性がない場合には消費者となりますが、家賃を得て第三者に貸す目的の住宅であれば事業者とされます。ただし、転勤などで住まなくなった住宅を一時的に貸す場合には消費者とする説が強いようですが、消費者契約法自体がもともと不動産を念頭に作られた法律ではなく、定義があいまいな部分も多く含まれています。


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平野 雅之

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