へんてこ世界遺産「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」
ギョレメ国立公園内、ウチヒサールへの道程の途中にあるギョレメ・パノラマから見た景色 ©牧哲雄
カッパドキアの奇岩は「ペリバジャ=妖精の煙突」と呼ばれ、伝説ではこの煙突の下には妖精たちが暮らしていたという。カッパドキアの魅力は、そんな無数のペリバジャからなる妖精の国のまん中に滞在できるところ。しかも妖精のように、奇岩の中に宿泊することさえできる! 今回はそんなトルコの世界遺産「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」を紹介しよう。
カッパドキアで妖精のようにフワフワと
ギョレメ村の奇岩。こんな岩が街のあちこちから突き出している ©牧哲雄
ギョレメ屋外博物館の奇岩 ©牧哲雄
■お散歩ルート1/ギョレメ屋外博物館
ギョレメ村は村自体が奇岩群の中にある。だからただ散歩しているだけでおもしろい。村にはギョレメ屋外博物館があり、これがハイライトになる。中心のホテル街から5分ほどで、とっても近い。屋外博物館の壁面のあちこちに穴があいている。実はこれ、キリセと呼ばれる岩窟教会で、異教徒たちに教会の存在がわからぬよう、岩をくり抜いて造られている。キリセの内部では美しいフレスコ画を見ることができる。
こちらはゼルヴェの奇岩 ©牧哲雄
ギョレメ村を歩いたら、今度は北東へ約5kmのゼルヴェ屋外博物館を目指してみよう。歩いているとまず現れるのがチャウシンで、ここでは廃墟となった村や多くの岩窟教会を見ることができる。続いて見えてくるのがパシャバー。奇岩といってもいろいろな種類があり、ギョレメのような巨大な岩と違い、ここの岩はキノコ型でとてもかわいい。奇岩と普通の景色の境はどうなっているのか? 散歩だからそんな光景も楽しめる。そこから1kmほどでゼルヴェ屋外博物館だ。ここは峡谷になっていて、岩壁に無数のキリセや住居跡が並んでいる。
■お散歩ルート3/ギョレメ~ウチヒサール
夕方になったら行きたいのがギョレメの南西約5kmにあるウチヒサール。ギョレメから見える穴だらけの奇妙な山がウチヒサールだ。この山の穴、鳩をおびきよせるための穴で、鳩の糞を集めてぶどうの木の肥料にしていたという。ギョレメ・パノラマなど、道中には絶景スポットがいくつかある。