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オリンピックで夫婦の国が激突したら!?(3ページ目)

バンクーバー五輪のアイスホッケーで、夫の母国スイスと私の第二の故郷カナダが対決! 幸運にもチケットが当たった私たちはナマ観戦に行ったのですが……。こんな事態になっても夫婦で楽しむコツ、お教えします♪

執筆者:シャウウェッカー 光代

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どっちを応援!?

いよいよゲームが始まります
しかし、試合が始まると、その姿勢もまた微妙に変わってきました。あまりにアウェイなので、声援が少ないほうに加勢したくなるのです。それに、あのロー・テンションな夫が、珍しく熱を入れて応援しているのが伝わってきます。決して歓声はあげないけれど……。その前で、カナダ国旗を振ることはできない……。

後半は完全にスイスを応援していました。
力が拮抗したいい試合で、最後は2‐2の同点となり、5分間の延長戦へ。それでも決着がつかず、各チームから5人ずつ出て、ゴールキーパーと1対1でシュートする“ゲーム・ウィニング・ショット”で勝敗を決めることになりました。このころには、観客はもう総立ちです。

「できることなら、引き分けのまま終わらせてほしい!」と強く強く願っていたのですが、オリンピックなのでそうもいきません。結果は、1ゴールを決めたカナダの勝ち! ああ、ついに終わりました……

大歓声の中で、私はグッタリ。こんなに応援に疲れた(というより、気を遣った?)ゲームはなかった。特に終了間際から延長戦にかけては、力が入り過ぎて呼吸困難になるくらい。両方の国への思い入れもあって、心臓が痛くなるような試合でした。

夫は大満足

スイス応援団のフラッグもあちこちに見えました。両チームともシンボルカラーが赤なので、場内は真っ赤!
今回の経験で、オリンピックやワールドカップでは、対戦するお互いの国を応援しよう!なんて呑気に言ってられないなあと、つくづく思いました。ましてや、そのスポーツが国技だったりお家芸だったりしたら……。

個人競技ならまだいいのですが、団体競技だとどうしてもチーム○○(国名)を応援することになりますから、国を意識せざるを得ない。これからは、日本vsスイスvsカナダのどの組合せも、あまりあってほしくないと思ってしまいました。

とはいえ、夫はこの試合に大満足! 最強の布陣のカナダを相手に、スイスはよく頑張った!! 大健闘だったし、とても見応えのあるゲームでしたから……。
オリンピックが終わって、友人らにどの観戦がよかったか聞かれると、彼は必ず「アイスホッケーのスイスvsカナダ戦!」と答えています。

私にとっても意味のあるゲームでした。実は「バンクーバー五輪、開会式と夫婦のウラ話」に書いたような事情から、日本に来てから自分の中でアイスホッケーを一切「封印」していたのです。見ればカナダでの暮らしを思い出してしまう……。そして、以前のように観戦に行けない現在の境遇を、よりつらいと感じてしまうだろうから……。インターネットでの関連サイトも、あえて見ないようにしていました。

それが、この観戦で一気にはじけて、封印がとかれた感じです。夫と一緒に楽しめたのもよかった。これからはまた一緒に観る機会が増やせるかもしれません。思えば、2003年にカナダを離れて以来、初めてのナマ観戦でした。


「敵」になっても夫婦で楽しむコツとは……?


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