十五夜ばかりがお月見ではなく十三夜、十日夜も…… 三月見の由来
お月見といえば十五夜が定番ですが、他にも「十三夜(じゅうさんや)」「十日夜(とおかんや)」というお月見行事があるのをご存知でしょうか。十五夜は中国伝来で当初は貴族の風雅な娯楽でしたが、民間に広がると実りに感謝する意味が加わり、十三夜、十日夜にお月見をするようになったといわれています。
十三夜は聞いたことがあるけど、十日夜は知らないという方も多いと思いますが、昔からこの「三月見」が晴れると良いことがあるとされています。
芋名月とも呼ばれる「十五夜」とはどんなお月見?
すっかりお馴染みの十五夜ですが、勘違いしやすい次の3つをクイズ形式でご紹介。まずは復習してみましょう。- 十五夜っていつ?
- 十五夜って満月?
- チュウシュウノメイゲツを漢字で書くと?
また、十五夜には里芋などのイモ類を供えることから、別名「芋名月」といいます。十五夜について詳しくはこちらの記事でも解説しているのでご覧ください。
栗名月・芋名月とも呼ばれる「十三夜」とは?片見月って?
十三夜とは、旧暦9月13日のお月見のことで、旧暦8月15日の十五夜の後に巡ってくる十三夜をさします。そのため、旧暦を新暦になおして10月13日とするのではなく、その年によって日付が変化します。十三夜は十五夜に次いで美しい名月だといわれているため、中秋の名月(十五夜)から約1カ月後に巡ってくる十三夜のお月見を昔から大切にしていました。十五夜または十三夜のどちらか一方しか観ないことを「片見月」「片月見」と呼び、縁起が悪いこととされています。
また、十三夜は栗や豆の収穫祝いでもあるため、別名「栗名月」「豆名月」といい、月見団子とともに栗や豆を供えて食べる風習があります。
十三夜の月見団子は、十三夜にちなんで13個、または3個供えるのが基本です。詳しくは「月見団子の並べ方・積み方・数・レシピ」を参考にしてください。
「十日夜(とおかんや)」とは、どんなお月見?
十日夜(とおかんや)とは、旧暦10月10日に行われる収穫祭で、東日本を中心に行われています(西日本では旧暦10月亥の子の日や11月に、類似する収穫の行事を行います)。その内容は地方によってさまざまですが、稲の刈り取りが終わって田の神様が山に帰る日とされているため、稲の収穫を祝ってお餅をついて食べたり、稲の茎をたばねた「わらづと」や「わら鉄砲」で地面を叩きながら唱えごとをして地面の神を励まし、作物にいたずらをするモグラを追い払います。
また、「かかしあげ」といって田んぼを見守ってくれたかかしにお団子(またはお餅)や収穫物をお供えし、かかしにお月見をさせてあげたり、かかしと一緒にお月見をする地方もあります。
十日夜はお月見がメインではないため、月齢に関係なく新暦の11月10日に祭りを実施する地方が多いようですが、昔から十五夜、十三夜、十日夜の3日間が晴れてお月見ができると縁起が良いとされています。
さて、皆さんは何回お月見をなさいますか?
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