アジアンスイーツの王様、「マンゴープリン」。おいしいマンゴープリンが食べたくて、香港へ行ったことまでありましたが、最近は、お茶仲間からマンゴープリンの魔術師と呼ばれる高橋Andyさんが作るマンゴープリンにぞっこんです。そこで、Andyさんにおいしいマンゴープリン作りのコツを教えてもらいました。♪ |
□ おいしいマンゴーをさがせ!
なんといっても、マンゴープリンのおいしさは、マンゴーにかかっています。どんなマンゴーを使うかによって、マンゴープリンのおいしさは左右されてしまいます。
そこで、どんなマンゴーを選ぶか? 聞くところによると、マンゴーの原産地はインドから東南アジアにかけての一帯だそうですが、グリーンマンゴー、メキシコマンゴー(アップルマンゴー)、フィリピンマンゴーなどなど、その種類はなんと3000種にものぼるとか。そんなマンゴーのなかから、おいしいマンゴープリンを作るために、どんなマンゴーを選んだらよいのでしょう。
早速、Andyさんに聞いてみました!
Andyさん□ クリームだけではだめ!
マンゴーは、今どこのスーパーでもだいたい売っているのは、フィリピンマンゴーかメキシコマンゴー(アップルマンゴー)が主流です。デパ地下とかに行けば、偶にグリーンマンゴーや沖縄マンゴーなどの珍しい種も置いてあったりしますが、芒果布丁(マンゴープリン)にするのはもったいない。マンゴーの味をストレートに楽しみたいですね。勿論それでマンゴープリンを作れば最高の味わいのものができますが、あくまでも贅沢をしたいという時に(笑)。
入手しやすいフィリピンマンゴーは、甘くて程良い酸味を持っていて、食感も柔らかい、価格もお手ごろなので惜しまずふんだんにマンゴープリンに投入できて材料として最適だと思います。
選ぶときのポイントですが、表皮の色が淡いイエローで少しグリーンがかったものは酸味が強く、果肉が硬くダメです。オレンジ色に近い濃い色のものは完熟もので味が良いです。
あと、ぱっと見て、表皮がつややかでシワがないものを選ぶようにすると良いです。シワになっているものは、繊維が多く食感が悪いのでこれもダメです。軽く指で押してみて、柔らかく弾力性があるものを選ぶのも一つのコツです(指で押したりしないで下さいと注意書きしてあるスーパーもありましたが)。
なお、マンゴープリンにはエバミルクと生クリームが入っているため、少し酸味があったほうが味のバランスが良いと思います。レモンを使うというレシピもありますが、レモンは香りがかなり強く、酸味も強すぎるので、出来れば使わない方が良いと思います。
あと、あまり酸味が強いと、プリンの生地が固まりにくくなりますので、ゼラチンの量を少し増やしたりしないといけません。そんな場合は、まだ完熟でないマンゴーは程良い酸味を持っているので、買うとき意図的にそれを1個だけ選んで、作るときピューレ状にして入れると程良い酸味が得られます(完熟4:半熟1という割合が良いようです)。
さて、おいしいマンゴーが入手できたら、さっそくマンゴープリン作りを開始しましょう。でも、おいしいマンゴープリンつくりには、絶対欠かせないものがあります。巷のマンゴープリンレシピの多くは、クリームだけを加えているものが多いのですが、それでは、絶対に、香港でめぐり会ったようなおいしいマンゴープリンはできません。
絶対に忘れていけないもの、それは「エバミルク」なんです。これが入ると、味わいにコクがでて、プロの味に近づけること間違いなし!
だけど、この配合比率が今ひとつ良く分かりません。
Andyさんとのこと。隠し味には、なんとカスタードパウダーを耳掻き1杯ほど使うといいとの事でした。ただあまり入れすぎると粉っぽくなってしまうので注意が必要です。
僕が作るマンゴープリン、今はエバミルクと生クリームの両方を入 れています。エバミルク2:生クリーム1の割合がバランスが良いようです。
□ さあ、マンゴープリンをつくろう!
さて、これだけの基本を知っていれば、あとは、実際に作ってみるのみ!まずは、材料を用意しましょう。すでにマンゴーは選びました。エバミルクと生クリーム、そしてカスタードパウダーも揃いましたね。他の材料もそろえましょう。
材料 (6人分) |
□ マンゴー・・・・・・・・大2個半 (半個分は半熟マンゴー) □ エバミルク・・・・・・・・・・・170cc □ 生クリーム・・・・・・・・・・・80cc □ グラニュー糖・・・・・・・・・・100g □ 粉ゼラチン・・・・・・・・・・・15g □ カスタードパウダー・・・・・・・耳掻き1杯 □ 牛乳・・・・・・・・・・・・・・100g □ 水・・・・・・・・・・・・・・・600cc □ 食紅 (オレンジと黄色の混合) ・・・少々 |
材料が揃ったところで、作り方の手順です。要所要所で、Andyさんのワンポイントを♪
□ マンゴーの下ごしらえ
マンゴー1個は、1cmくらいの角切りにし、もう1個はざく切りにします。そして半熟の1/2のマンゴーは、果肉を潰してしまいましょう。マンゴーの種は扁平でとても大きいので、果肉を切り取るのが結構たいへんなのですが、まずはざっくりと、種から離れているところの果肉を包丁でそぎ落としてしまいましょう。
Andyさんのワンポイント
マンゴーの種の周りの果肉は包丁で切らないようにしましょう。種を握りしめるようにして上から下へと絞ると上手くピューレにできます。また、皮の近くの果肉に繊維状のものがありますね、渋みがあって、食べるときに繊維が残るので、ナイフで切り除くようにしましょう。
なお、半熟マンゴーの残りの半分はピューレ状にして甘酢ソースやドレッシングなどに加えると美味しいですよ。
□ ゼラチンの下ごしらえ
ゼラチンは、板ゼラチン、粉ゼラチン、糸ゼラチンなど、色んなものがありますが、一番扱いやすいのは粉ゼラチンです。普通、ゼラチンとグラニュー糖を一緒に熱湯で溶かす方法が多いようですが、ゼラチンを滑らかにするためには、秘訣があるのだそうです。Andyさんのやり方を採用しましょう。
分量のうち半量分の水でゼラチンが溶けたら、その中に、残りの水に分量のグラニュー糖を入れて溶かして合わせます。
Andyさんのワンポイント
ゼラチンは最初に10分ほど水に浸けて、戻してから湯せんで溶かしたほうが良いです。量が多いときなどで溶けにくい場合は、蒸し器に入れて蒸すと上手く溶けます。ゼラチンを蒸す時はラップをかけたほうが良いでしょう。
グラニュー糖と一緒に混ぜないで、別々で溶かして、あとから混合するようにしたほうが良いと思います。
□ マンゴーピューレを作る
同時並行的に、ざく切りにしたマンゴーと、半熟のマンゴーをミキサーに入れ、牛乳と一緒にジューサーにかけてピューレを作りましょう。ピューレが出来た後に、溶き卵を2つ加えるレシピもあるのですが、ここは香港式に卵なしで作ってしまいます。
□ 全部まぜろ!
ここまできたら、後は簡単。砂糖を溶かしたゼラチンに、エバミルク全部、ペーストにしたマンゴー全部、生クリーム全部を順番に入れていき、良く混ぜ合わせます。
ここで、食紅 (オレンジ) をこれも耳掻き1杯程度入れます。氷水を入れたボールの上にこれを乗せ、冷やしながらかき混ぜます。冷えて行くにしたがって段々とろみがついてきます。だいたい粗熱が取れた頃を見計らって、ブロック状に切った残りのマンゴーを入れます。これをプリン型に入れて冷蔵庫で1~2時間、完成です。
Andyさんのワンポイント
香港に行くと、マンゴープリン、黄色くないんですよね。この材料でマンゴープリンを作ると、エバミルクと生クリームが入っているので、かなり黄色いマンゴープリンになるのです。出来るかぎり香港風にということで、ほんの少し食紅で色をつけてやると、おいしそうに見える本場のマンゴープリンの色彩になります。
食紅未使用 |
食紅使用 |
□ 最後の仕上げ
プリン型に入れて、いかにもマンゴープリンというのが、見た目にも、お茶請けにもマッチするのですが、時には素敵な器に入れてそのまま固めてしまうというのもお薦めですね。
Andy師匠の最新作のマンゴープリンは、素敵なカットグラスの器に固めたマンゴープリンに、うっすらとエバミルクを垂らし、さらにマンゴーの果肉の角切りを載せてありました。銀の受け皿もお見事!ここにミントの葉を一枚おいたら、高級レストランで相当な値段の取れるマンゴープリンの出来上がり!是非試してみてください。
(一部写真・取材協力:高橋Andyさん)