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レストラン ひらまつ (広尾)(2ページ目)

黒塗りの車が横付けされるエントランス。入りにくいと思っていた名店は、意外にもオープンマインドな空気に満ち溢れていました。平松シェフの心温まるフレンチと極上のホスピタリティーが光ります。

執筆者:河野 優美

ひらまつは、シェフの軌跡とともに楽しむレストラン

赤ワインのデカンタ
ひらまつシェフが修行時代、パリののみの市で買い集めた思い出深いデカンタ。
20年来のスペシャリテ同様、ひらまつで長く大切にされてきたもの、それは赤ワインのデカンタです。

今回は2000年の「サンフォアボルドー」を頼んだのですが、デカンタージュの際、あまりにレトロなデカンタが出てきたので、ちょっと驚きました。牛乳瓶が大きくなった様な様相で、口のまわりを覆っている銀細工もかなりくすんでいます。

現在、極上フレンチ店と言われる所は、グラスでも何でも薄いガラス製を使っているところが多いのです。最近行った「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」も、フラスコのような形の極薄のガラスのものを使っていました。

フォアグラソテーの間にトリュフスライスを挟み、それをキャベツで包んだ一品
フランス仕込みの粋なチョコレートデザート。
でも、聞けば納得。これは、シェフの思い出の品なのだそう。シェフが、まだフランスで修行をしていた頃、のみの市で買い集めた物だとか。それを今でも使っていて、こうして華やかなひらまつのステージでも大いに活躍させているわけです。

ずっとかけ替えることのないお兄様の絵にも通じますが、思い入れのある物を長く大切にする姿勢は、おのずと平松シェフの料理に、店内の雰囲気に反映されていると思い、胸が熱くなる思いがしました。

レストラン ひらまつ
スペシャリテ以外のメニューも満足がいくものばかり。
でも、ここまで来るには、この平松シェフにも色々御苦労があったよう。修行時代、通常、上の人に書いてもらえるはずの紹介状をもらえず、おかげで単身渡仏することになったり。人生はやはり乗り越えてこそ、先があるものなのですよね。その成功を一番喜んでいるのは、その頃の平松シェフの思いを知る、この古いデカンタなのかもしれません。

現在、平松シェフはパリの16区にも店を構えており、すでに1つ星を獲得しています。そして、日本でもASOをはじめ、12人のシェフの最高位に立つグランシェフでもあります。

レストラン ひらまつ
チョコレート使いがフレンチシックな最上のデザート。
一人のシェフの歴史が店を大きくする。ひらまつは、そんな軌跡とともに食を楽しむレストランと言えましょう。

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<店データ>
レストラン ひらまつ
所在地:港区南麻布5-15-13
TEL:03-3444-3967
営業時間:ランチ  12:00~14:00(ラストオーダー)
      ディナー 18:00~21:30(ラストオーダー)
レストラン ひらまつ
本格派のエスプレッソ。
定休日:無休
2FBar&個室のみ喫煙可

日比谷線広尾駅1番出口より徒歩約1分
地図:href=http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.38.52.065&el=139.43.34.071&skey=%b9%c1%
b6%e8%c6%ee%cb%e3%c9%db5-15-13&pref=&kind=>Yahoo!地図情報

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