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アテネ五輪の報道を通して 五輪卓球つれづれ(2)福原愛(3ページ目)

アテネ五輪の卓球競技を、テレビや新聞などの報道を通して感じたことなどを「つれづれなるままに」記すエッセイ。2回目は、試合がテレビで生放送されるという厚遇を受けた福原愛選手について。

執筆者:壁谷 卓

福原愛選手
トヨタカップのビデオ撮影でインタビューに答える福原愛選手
オリンピックの1ヵ月半ほど前に、トヨタカップのビデオ制作のために福原選手から話を聞く機会がありました。バスがひどい渋滞に巻き込まれた話題をきっかけに、遠征の移動でつらい思いをした経験談になったのですが、そのときに彼女は、「そういう状況になったらなったで、その状況をなんとか楽しく過ごすように心がけている」と言ったんですね。それを聞いて、松下浩二選手ともども、すごく感心したんです。

「楽しさ」は結果的にやってくるもの

だから、彼女だって決して試合を楽しみたくないと思っているわけじゃないと思うんです。しかし福原選手は、「ほんとうの楽しさ」というのは、意志とは無関係に、結果的に「やってくる」ものだということを知っているんだろうな、と思ったんです。そして勝負事というのは、勝たなきゃというか、勝ちにこだわらなければ、なんだかんだいっても楽しめないということが直感的にわかっているんだろうな、と。

それがはっきりと表れていたのが、4回戦のカット型の金選手との試合です。4セット目のジュースを落とし、1-3とリードされた5セット目の後半、福原選手は「ツッツキ」という「打たない戦法」で徹底的に対抗したんです。

これは全然彼女らしくないプレーです。やっていても「楽しく」なんかなかったはずです。じゃあ、なんでそんな戦法をとったのか。僕が見るかぎりですが、あの時点では「打って崩す戦法」は万策尽きたというか、効き目が薄くなっていた感じだったんですね。それでもなお活路を見いだそうとして、ガマンしながらツッツキに徹した。その姿が、僕にはとても興味深かったんです。

それを見ていて気づいたのは、僕は「楽しむ」ことより「喜ぶ」という感情に重きをおいているのかな、ということでした。

********関連サイト*********
<記事>
聖火リレー、福原選手がアンカー
トヨタカップ国際卓球がビデオに
<リンク>
福原愛選手
オリンピック卓球競技タイムテーブル(JTTA)
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