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第139回直木賞候補作その3(2ページ目)

第139回直木賞の候補作、井上荒野『切羽へ』と荻原浩『愛しの座敷わらし』をご紹介! 2冊とも地方の小さな町が舞台になっているが、まったくテイストは異なる。その内容とは?

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

荻原浩『愛しの座敷わらし』

愛しの座敷わらし
<DATA>タイトル:『愛しの座敷わらし』出版社:朝日新聞出版価格:1,890円(税込)
大手食品メーカーにつとめる晃一の異動が突然決定。高橋一家は東北に引っ越すことになる。新しい家は、民芸館と見まがうような古民家。不便でも素敵な田舎暮らしが始まると思いきや、住んでみると怪現象が頻発する。実はそこは、昔から座敷わらしがいるといわれていた家だったのだ……。

出世の道を閉ざされた晃一は、これから家族との生活を大事にしようと思うが、すでに家庭には居場所がない。妻の史子はセックスレスの夫にも手がかかる姑にも不平たらたら。中学生の娘・梓美は友だち関係に悩み、小学生の智也は母親の過保護に困り気味。晃一の母・澄代は「高齢者うつ」と診断されている。問題だらけの家族が、座敷わらしとの出会いをきっかけに、だんだん変わっていく。

犬が苦手で、カエルの人形がお気に入り。言葉はしゃべれないが、智也がけん玉を教えると、いつも何かに驚いているような目をきらきらと輝かせる。気がつくと史子の背中におぶさって眠っている。どこまでも無垢な座敷わらしのかわいらしさに魅了される家族小説。

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