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2008年、品格を読書で育てる12ヶ月(11ページ目)

現代のベストセラー作家の作品から、不朽の名作まで。小説で季節感を味わい、1年たって気がついたら品格も育っている(といいなー)という欲ばりな読書計画です!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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11月 ユニークな手紙文例集

画像(C)筑摩書房
<DATA>タイトル:『三島由紀夫レター教室』出版社:筑摩書房著者:三島由紀夫価格:546円(税込)
亀井勝一郎と太宰治を囲む集いの席上で、「僕は太宰さんの文学が嫌いです」といったという三島由紀夫。ツワモノだ。

『三島由紀夫レター教室』は5人の登場人物が書いた手紙で構成されている小説。ひとつひとつが手紙の文例集になっているところが面白い。

三島は冒頭の「登場人物紹介」で電話と比べた場合の手紙の効用を

このキチンと封をされた紙の密室の中では、人々は、ゆっくりあぐらをかいて語ることもできれば、寝そべって語ることもでき、相手かまわず、五時間の独白をきかせることもできるのです。

といっている。文例集といっても「心中を誘う手紙」「真相をあばく探偵の手紙」「閑(ひま)な人の閑な手紙」などテーマがヘンテコなので、実用的ではないかもしれない。が、お互いに対するツッコミが鋭く、表現が知的。悪口もどこか品がある。

<DATA>
タイトル:『三島由紀夫レター教室』
出版社:筑摩書房
著者:三島由紀夫
価格:546円(税込)

三島の師で日本で初めてノーベル文学賞を受賞した作家は? 答えは次のページに。

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