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ジャズピアノ特集(2ページ目)

魅惑のジャズピアノ。ピアノは弾けるけど、ジャズピアノって何をやればよいのだろう?難解なジャズピアノのベールを剥がす?!

執筆者:佐久間 啓輔

では実際の演奏でジャズピアノの演奏スタイルをみていきたいと思います。

※ジャケット写真がAmazon.comにリンクしています。

『ワーキン』マイルス・デイビス

ピアノはもちろんレッド・ガーランド。ジャズピアノの基本パターン満載のこのアルバムは1曲目ガーランドのアルペジオから。マイルスのミュートトランペットとのからみの美しいバラードです。2曲目以降はコンピングの参考になる演奏を聴くことができます。コードを短く切ったり、のばしたり、メロディアスにつないだりと、分かりやすい演奏です。
またブルースでのコードワークにも注目して下さい。例えばBb7のコードで、ブルーノートであるEbの音を弾いたりしています。これは言い換えればBbmを弾いているということになりますが、ブルージーに弾くポイントとして是非研究してみて下さい。

『マイ・フェイバリット・シングス』ジョン・コルトレーン

ピアノはマッコイ・タイナー。左利きであるマッコイのコードワークは強烈。映像を観ていただければ分かりやすいのですが、鍵盤の上を跳ね回るように、そして力強く弾く姿が印象的です。タイトル曲ではある一定のパターンを連続して演奏しているのですが、ジャズの場合でもしばしば決まったパターンをバッキングのパターンとしてアレンジしていることがあります。いつもただコンピングを入れるだけではなく、曲を引き立たせるバッキングパターンがあれば、メリハリをつけることができます。是非チャレンジしてみて下さい。

『ポートレート・イン・ジャズ』ビル・エバンス

冒頭の『枯葉』のイントロでいきなり圧倒されてしまいますが、ガーランド同様、コンピングの参考になるエバンスの演奏です。しかし右手と左手のコンビネーションにはかなりのヒネリがあるようです。盛り上がってきたときに、オクターブでメロディを弾くところなどはぐっと来ます。まさに美学!現代のジャズピアノのスタイルの基本はすべてここにあると言っても過言ではないでしょう。

『1+1』ハービー・ハンコック&ウェイン・ショーター

ハンコックのメロディセンス、ハーモニーセンスが凝縮されたアルバム。マイルスバンドからの旧友ウェイン・ショーターとのコンビネーションも抜群で、もはや簡単にはジャズと呼べない作品になっています。ジャズっぽい作品を聴きたいかたには、60年代あたりの、やはりショーターのアルバムでのハンコックをお勧めします。洗練されたハーモニーや躍動感のあるリズムは、現代のピアニストの多くに影響をあたえています。


今回は触れませんでしたが、イントロやエンディングもジャズピアノにとって重要な要素でしょう。両手のコンビネーション同様、ピアニストにはストックしておかなくてはならない要素が数多くあります。積み重ねが大事だと思います。目指せハンコック!それでは!

関連リンク:海外のピアノ・キーボード奏者 日本のピアノ・キーボード奏者

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