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ジャズピアノ特集

魅惑のジャズピアノ。ピアノは弾けるけど、ジャズピアノって何をやればよいのだろう?難解なジャズピアノのベールを剥がす?!

執筆者:佐久間 啓輔

文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)

あらゆるスタイルに対応できる構造を持つピアノは、それだけに演奏者に対して多くのことを要求される楽器でもあります。ピアノは弾けるけど、あこがれのジャズピアノとなると、どういう風に弾けばいいのか全然わからない??今回はそういった方のご要望に少しでも応えられれば…という視点でスタートしてみたいと思います。


ジャズの基本は「何でもあり」。しかしその一言で片付いてしまうのは天才だけであって、普通はコードを覚えて、スケールを覚えて、コピーして・・・そうやってジャズっぽい雰囲気を習得していくものです。ただ、そういった学習のためのカリキュラムにはまってしまって、何ともぎこちのない演奏になってしまう光景が多く見られます。ではどうすればよいのでしょう?

プロのミュージシャンに接することでいつも感じるのが、最初の感動を絶対に忘れないということです。偉大な先人たちの演奏が常に頭の中にあって、それを自分はどうやって表現しようか?そんなことを常に考えて試行錯誤を繰り返し、そしてまた偉大なミュージシャンが出現するのです。

言うは易しですが、理論的なことにはまってしまいがちなジャズピアノをいかに雰囲気を出して弾けるかというのは、やはり自分のもつジャズのイメージを常に頭の中に置いて演奏することが大切だと思います。それでは具体的なジャズピアノの演奏スタイルを見ていきましょう。


ジャズピアノが担当するのはリズムとメロディ。二人分の演奏をするわけですね。負担は大きいように感じられますが、オルガン奏者などはこれに加えて足でベースも演奏するのでピアニストはまだ良いほうです。整理してみていきましょう。

リズム
ジャズはリズムが要。デューク・エリントンの名曲『スウィングしなけりゃ意味がない』が言うとおり、小粋なスウィングを演奏しなければいけません。バンド演奏の場合はドラムとベースが土台を作るので、ピアニストは「コンピング」と呼ばれる合いの手を入れるのが普通です。ドラムとベースが刻むリズムの上にアクセントをつけてゆくのですが、時にはメロディアスに、時にはパーカッシブにと、メリハリをつけるのがミソです。その辺は実際の演奏を参考にすることで覚えることができるでしょう。

メロディ
トランペットやサックスのようなソロ楽器に対抗すべく、様々なワザを駆使することも大切ですが、バンド演奏で管楽器のソロの後にくるピアノトリオになった時の雰囲気は捨てがたいものです。右手だけでメロディを弾くだけでも良いのですが、右手のメロディに対して左手でコンピングを入れるのが基本です。

リズムとメロディ
上記のように「右手のメロディに対して左手でコンピングを入れる」というのがピアノソロを弾く時の基本で、この点がジャズピアノ初心者の頭の痛いところでしょう。その組み合わせのパターンは様々です。まずは50年代の例えばレッド・ガーランドのようなモダンジャズの名脇役の演奏を参考にして、60年代のマッコイ・タイナーのような荒々しさ、ビル・エバンスのような美学を学んだ後に、最終的にはハービー・ハンコックのようなコンビネーションの達人になるというコースがお勧めでしょう…言うは易しでゴメンナサイ。

 

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