男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

深い思索が結晶化したCorno Bluの靴(3ページ目)

イタリアで修行し現在は福岡にアトリエを構える清角 豊氏が作るCorno Bluの誂え靴。その表情に感じる緻密さと大らかな温かさは、清角氏の技術のみならず、深い思索と丁寧な探究心が結晶化したものです。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

無闇に惑わされない造形の結晶!

フルブローグ
Corno Bluの内羽根式フルブローグのオーダーサンプルです。ウィングキャップと鳩目周りの琴型の刳り貫き(アデレイド)とが織り成す、曲線同士の絶妙なハーモニー! 一見何気ないトウシェイプからも、清角氏の意思が 明確に伝わってきます。


緻密かつ繊細でありながら、骨太で大らかな温もりも感じさせてくれるCorno Bluの靴は、例えれば美しい手書きの製図のような存在。機械任せにせず人が考え抜いたからこそ出せる、落ち着きのある造形がし尽くされています。修業先はイタリアですが、その国の靴、特にビスポークのものに暫し見られる線や面に比べ、どこかしら腰の据わった印象を受けるのです。

これってどこから来るのかな?…… 清角氏と話をしていて感じたのは、やはり彼が活動の場に東京ではなく、敢えて福岡を選んだことが強く影響しているような気がします。靴作りに関して申せば、情報量の多さや資材の調達の容易さの面では、東京と他の地域では正直かなりのギャップがあるのが現実です。でも清角氏はそれを決して不利と感じず、むしろ流行や余計な雑音に惑わされることなく作風をじっくり煮詰めていった結果が、Corno Bluの靴の奔放でありながらも揺るぎない美しさに表れていると思うのです。マシンメイドの靴に対して敬意を払いつつも、「それが表現し切れないことをしっかりやるのが、ハンドメイドの靴の存在意義」と自らに高いハードルを設定し、それを落ち着いて見定めるのには、福岡と言う土地柄は丁度良い距離感を得られるのかも知れません。

既に入手不可能な工具をバイクのスポークなど身近なものから作り上げてしまうなど、日々の創意工夫や向上心を忘れない清角氏。
「一つ一つの工程や工夫が、『有機的に繋がる』ことを通じて作品が産み出されてゆくことに、物凄い喜びと責任を感じるし、それを通じお客様と一緒に美観を研ぎ澄ませてゆけるのが、何より楽しい!」
素直にこう話してくれる彼の靴が、常時でこそありませんが東京でもオーダー可能とは、何ともありがたい話ですよ! 修行先やブランドネームの響きから、ついついクラシコイタリア的な装いが好きな方だけの靴と思われがちですが、抽象的で曖昧なものを善しとしない彼の造形美には、ファッション雑誌が表面的に吹聴するようなその種の「国」的な枠組みは、もはやあまり意味をなしません。それらを突き抜けた先にある、履く「人」の深く明確な意思こそ、彼の作品と最も呼応できる要素なのです!



■商品のお問合せ先
Corno blu 清角縫靴店
HP : Corno blu Home

■受注会のお問合せ先
ビームス ハウス丸の内
所在地:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル1F
TEL :03-5220-8686
営業時間:11:00~21:00(月~土)/11:00~20:00(日・祝)  不定休


底面
Corno Bluのビスポークシューズはもちろん底面も曲線、いや曲面美のオンパレード! 単に綺麗なだけでなく、圧倒的に優れたフィット感を足にもたらします。

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