街のお医者さんのような、親しみやすい存在
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| EMORIのビスポークサンプルの一つである、内羽根式ブラインドフルブローグです。必要以上にでしゃばってはこない、凛々しいカッコ良さを感じます。 |
EMORIのアトリエは、東京・北馬込の江守氏のご自宅に店舗と兼用で開いています、と書くと別にどうってことない印象で終わってしまうのですが、靴と同様このアトリエ兼店舗がまた面白い！ 実はかつて彼の御祖父様がこの場所で内科・小児科の開業医を長年なさっていて、その内外装をそのまま受け継いでしまったのです。すなわちかつての待合室が顧客との打ち合わせルーム、診察室がアトリエ、なぜか体重計だってしっかり残っています。
建物自体は昭和30年代前半の建設でしょうから、正直かなり古びています。が、この空気感はなんとも懐かしい！ 小生が幼い頃に大変お世話になった街のお爺ちゃんのお医者さんのことを、十数年振りに思い出してしまいました。あの先生の注射、全然痛くなかったんだよなぁ（でも、解熱剤の入ったシロップは妙に苦かったんだっけ）…… 街のお医者さんというと、小生のように良い想い出を持つ方もいれば、怖い想い出しかない方もいらっしゃるでしょうが、どちらにしても他では味わえない温かな雰囲気を醸し出しています。
最近は人口の多い東京であっても、小学校のPTA会長や町内会の会長を任されてしまうような、地域に根ざした街のお医者さん自体が減りつつあります。ただ、一人一人の「患者」の体の特徴や生活習慣を解ってくれた上で最適な解決策を講じてくれると言う意味では、お医者さんと同様に靴やスーツの誂え屋さんも、近場に「掛かりつけ」があると便利だし、何しろ安心ですよね。偶然と言うべきか運命と言うべきか、靴からも店舗からもその種の「身近さ」が無理なく伝わってくるのが、EMORIの大きな特徴でしょう。その道の「世界的権威」ではないかもしれないけれど、何でも相談できて基本的なことは安心して任せられる存在、これは街の名士のお医者さんと同様、案外貴重な存在なのです。
最後のページは、EMORIの靴に似合う服とか、その他諸々のことを熱く語らせていただきます！
