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いまもっとも注目されているトラッドアイテム 帰ってきたネイビー・ブレザー!(8ページ目)

あの“紺ブレ”から10数年。ようやく帰ってきたネイビー・ブレザー。そうこの春注目アイテムはブレザーなのだ! VANやKentの現行ブレザーから、シャツとネクタイのコーディネートまで紹介する!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

エーボン・ハウス


エーボン・ハウス
エーボン・ハウスのドレープ・スーツ。肩幅を広くとって、ウエストを絞ることでドレープ感を演出。シャツはアリストクラティコ、タイは無名のクレスト・タイ。すべて私物。
シャンタル・デュモ時代のブレザーで、1990年前後に購入したもの。前述の2モデルがI型(いちがた)なのに対して、このブレザーはゆったりとしたドレープ・ブレザーだ。

2つボタン上1つ掛け、袖は3つボタン。ベントはノーベント。広いラペルも特徴的である。

ポケットはすべてオープン・パッチ・ポケットで、広い肩幅と前ダーツを入れることによって、美しいドレープを出している。

バブルの頃の変なスーツに似てなくもないが、デザインコンセプトが根本的に異なり、1930年代~'40年代にかけて流行したスタイルを再現している。

さまざまなブレザーが巷にあふれているが、これほど過去に目を向けたブレザーは珍しいのではないだろうか。エーボン・ハウス黄金期のブレザーといってもいいほど。


エーボン・ハウスのタグ
シャンタル・デュモ時代の旧タグ。個人的には新しいタグよりこちらが好きです。
サイズと素材/着丈74センチ、肩幅52センチ(床置きの状態で直線計測)、92A5(胸囲92、胴囲78、身長170センチ)、ウール95%、ナイロン5%。


その他のブレザー


写真にはないが、その他のブレザーのサイズを参考までに。

VAN(1980年代前半購入)
サイズと素材/着丈72センチ、肩幅44センチ(床置きの状態で直線計測)、A5(胸囲91、胴囲80、身長170センチ)、ウール93%、ナイロン7%。

ブルックス ブラザーズ(1990年代後半購入)
サイズと素材/着丈73センチ、肩幅45.5センチ(床置きの状態で直線計測)、A5、ウール100%。

ナイロン混の謎


なぜだが昔のフランネルのブレザーには5~10%のナイロンが入っている。これはフランネルが柔らかい素材のため、肘付近がポッコリ出てしまうのを防ぐためといわれている。ただ、どのメーカーが始めたのかはわからない。

もともとブレザーのオリジナルはスポーツをするための上着だったのだから、ナイロン素材が混ざっていてもおかしくはない。ただイギリスでは既製ブレザーであってもナイロンは入れないだろうなあ~と都合よく考えてしまう。

とすると、やっぱり米国の老舗J・プレスか、日本のVANあたりが最初に入れたのだろうか・・・。ん~謎である。

次のページは、「この春着たい! VAN、Kentのブレザー」です
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