中古車/中古車の買い方

中古車に掘り出し物はないの!?

安い中古車には安いなりの理由があります。大原則は「中古車の価格は市場の人気に見合ったもの」。その中で自分の気にならない部分で安値がついているクルマを見つけましょう。

執筆者:大江 治利

買い物をするときに誰もが気になる「掘り出し物」の存在。中古車に限らず、人より安く、いいモノを買いたい見つけたいと望むのが人情というものです。でも中古車の購入に関しては、その気持ちがしばしば落とし穴にはまる原因になるとご存知ですか?
率直に言って「掘り出し物を探そうとするのは賢い消費者のやり方ではない」というのが私の見解なのですが、その理由を説明する前に、中古車の店頭販売価格の決定のされ方について簡単に説明しておきましょう。

新車の価格って誰が決めているかというと、自動車メーカー(または輸入車のインポーター)ですよね。これに対して中古車の価格は誰が決めるのかというと、その中古車を販売しているお店(中古車販売店)の社長、または店長であるケースがほとんどです。販売店では、最近はオートオークション(中古車のセリ市)から商品である中古車を仕入れる比率が高まってきているのですが、その仕入れ値がまず、店頭価格決定の一つの目安になります。当たり前ですね。それより安く売ったら絶対に儲かりませんから。ですが、単純に仕入れ値にいくらか上乗せして価格を決めているわけでもないんです。決定の根拠はズバリ「いくらなら客が買うか」「買ってもらえる範囲内でいかに高く値付けるか」です。安い値をつければあっという間に売れるけど儲からないし、高ければ誰も買いに来ない、というわけですな。

さて、ではなぜそれが「掘り出し物がない」ことと関係あるかというと、難しい言葉でいうと「市場原理」、簡単にいうと「安いものにはワケがある」ってことです。
安い中古車には安いなりの理由があります。例えば年式が古い、走行距離が多い、ボディの色がヘン、内装が汚い、事故を経験しているなどなど。それらが必ずしもクルマのコンディションに影響するわけではないのですが、でもやはり一般的には避けられる要因を抱えていて、値付けしている販売店は必ずそのことに気がついています。だからこそ安い値をつけているのです。
もし、例えばそのヘンな色が気に入れば、それはその人にとっては掘り出し物かもしれませんし、前オーナーが高速道路をよく走っていたため走行距離が延びているけどエンジンの調子は良いなんてクルマも、品質に比較して割安かもしれません。
ですが、安い理由を販売店が正直に教えてくれるとは限りません(お店の人が嘘をつくってことでもないんですよ。精一杯の営業トークが繰り広げられるのだと理解しましょう)。もしかしたらエンジンの調子が悪いから安い値をつけているのに「この色は人気がなくてねぇ」と説明されてしまうかもしれません。そうすると「やった、掘り出し物を見つけた!」と喜んで契約してしまいがちですが、これが典型的な「落とし穴にはまった」状態ですね。

ということで期待を裏切る解説かもしれませんが、大原則として「中古車の価格は市場の人気に見合ったものである」と理解してください。個人的には相場より価格がやや高めのクルマを狙ったほうがその後の満足度は高い、と経験的に思っています。

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