SUBARU(スバル)/レガシィ

サーキットを走らせて分かったレガシィの方向性 改めて体感したレガシィの実力2

レガシィを国内外のライバルと共にサーキット試乗で比較してみた。その結果見えてきたのは、新型レガシィの走りの方向性と、シャシー性能の高さだ。

執筆者:河口 まなぶ



新型レガシィのラインナップは現在のところ、ツーリングワゴンとセダンB4に大別でき、それぞれでNAとターボの2種類のエンジンが用意され、組み合わせられるトランスミッションではNAで4ATと5MT、ターボで5ATと5MTが用意される。グレード展開は、ツーリングワゴン/B4ともに、NAのSOHCエンジン搭載車2.0iから始まり、NAのDOHCエンジン搭載車2.0R、DOHCターボエンジン搭載車2.0GT、そして同エンジン搭載の上級スポーツグレードの2.0GTスペックBという構成となっている。

タイヤサイズは2.0iは16インチ、2.0Rは17インチ、2.0GTは17インチ、2.0GTスペックBが18インチで、ダンパーはNA系がカヤバ製を、ターボ系はビルシュタイン製を採用している。

既に数々のレポートからも分かるように、新型レガシィの評価は高く、好評である。21世紀のセダン/ワゴンとして、確かな実力が備わっている。さらにこの後には、3.0Lの排気量を持つフラット6エンジン搭載モデルや、クロスオーバーであるアウトバックの投入も予定されており、これらの登場はその評価をさらに高めるものとなるに違いない。

現時点で私が試乗を済ませているのは、2.0iを除く全てのグレード(もちろん6気筒やアウトバックはまだです)。その上で、ベストモデルを挙げるとするならば、セダンB4/ツーリングワゴンともに2.0Rとなる。次いで2.0GT、そして2.0GTスペックBといった順番だ。

2.0Rをベストモデルに挙げた理由は、走りの質感を最も上手に表現できているからである。

NAの水平対向ユニットは、等長等爆エグゾーストを採用したことで、これまで気がつくことのなかったフラット4のフィーリングを前面へ押し出した。直列4気筒とは違う回転感や吹け上がりは、まさに今までにない味わいを感じさせるものだ。2.0iは試乗していないが、おそらく同じようなフィーリングを味あわせるに違いない。

これに対して2.0GTや2.0GTスペックBに搭載されるターボエンジンは、今回シングルターボを採用するなどして、以前のモノから比べると大分扱いやすさと力強さが増している。ツインターボの時にはノーレスポンスな部分が目立ったが、それもこのエンジンでは影を潜め、コーナーからの立ち上がりなどでも十分な反応と加速を味わえる。ただ逆にシングル化されレスポンスが向上したことで、わずかに不自然な感じが伴うのも事実だ。

例えば街中で信号からスタートするとき、ターボエンジン搭載車ではドライバーの意志以上に強く加速する感があり、定速で巡航しようとスロットルをパーシャルにしてもなお、わずかだが加速していってしまうようなところもある。またスロットルペダルの角度がイマイチ最適化されていないようで、シートに座って自然に足を前へと投げ出した状態ではペダルの面に足を合わせるのがツラい。足首を少し持ち上げるようにして、角度を合わせる必要があるので、高速巡航などでは足首が疲れてくる。これは特にシートリフターを最も低い状態にして使った時に顕著だ。

2.0Rは運動性能と乗り心地のバランスでも全グレード中で最も優れている。これはカヤバのダンパーの実力によるところが大きいといえるだろう。なぜなら同じ17インチを装着する2.0GTは、運動性能では2.0Rを上回るものの、乗り心地では確実に2.0Rを下回る。同じタイヤであるにもかかわらず、2.0GTの乗り心地は渋みがあって全体的にハードだ。もちろんこれはグレードの違いによる味付けの違いでもあるわけだが、私は2.0Rの味付けの方が、このクルマの持つ素性の良さを巧みに引き出していると思えた。2.0Rは場面を選ばずに常にしなやかなサスペンションの動きを感じさせ、路面からの入力も見事にいなして快適さを失わない。クローズドコースで走らせた時には、さすがに粘りは2.0GTに譲るが、一般道においてはその領域に到達することは希だと考えると、落としどころとしては非常にいいところにあるといえるのだ。

レガシィのすべてが分かるAll About Japanレガシィコンテンツはコチラ
PART1レガシィのブランド戦略編はコチラ
PART3究極のベストグレードはコレ編はコチラ
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