文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)
最近は、HIDやキセノンと呼ばれるタイプも広く普及してきていますが、ヘッドランプの主流は、まだまだハロゲンタイプです。たまーに、球切れ状態のまま走っているクルマを見かけることもありますが、近くに来るまでバイクと勘違いされたり、認知が遅れたりして危険です。自分は片方だけ付けば走れると思っている方もいらっしゃるようですが、ランプには周りへ自社の存在を知らせるという安全上の意味もあるので、すぐに交換できるよう手順をマスターしておいたほうが良いと思います。
H4バルブの仕組み
ヘッドライトの電球には、これまでの進歩による形式の違いがあって、今のところ数パターンが存在しています。そのなかで、主流となっているものはH4タイプではないでしょうか?これは反射鏡やレンズのユニットから、光を放つ部分だけが交換できるタイプで、ハロゲンタイプの光軸切り替え機能を持ったタイプです。その中にはフィラメントが2本あって、前側がロービーム(下向き)で後ろ側がハイビームになっています。この電球そのものはバルブと呼ばれることも多いです。
ハロゲンバルブ(ランプ)といわれるのは、電球の中にハロゲン元素の仲間である、よう素が封入されているからです。
特徴は、電球の内面にフィラメントのタングステンが蒸発して付着する黒化現象が起きないこと。これで、寿命までランプの明るさが変化しないという利点があります。例えば、ブレーキランプなどの白熱灯では黒くなっていきますが、そのような現象がハロゲンではありません。
また、フィラメントの発熱温度を高くできるため、明るい白色光を出すことができます。今でこそ、白い太陽光に近い光と言えば、HIDと相場が決まってますが、ハロゲン特有の白さが優位性を持っていた時代もありました。
なお、ハロゲンバルブを使用するヘッドランプのバリエーションとしては、H3というフィラメントが一本のタイプもあります。これは、フォグランプに使われることも多いタイプです。さらに、HBタイプなど形状のバリエーションもいくつかあります。