理想的に見える制度。でも……。
認定こども園制度は2006年から始まりましたが…… |
しかし、現実にはそんなにスムーズにいくものではありませんでした。2007年8月19日現在の、全国の認定子ども園の数は、まだわずか105園。今後はもっと増えて、2008年以降には全国で2000以上の園ができる……と文部科学省では見込んでいますが、ガイドがいろいろな施設や関係者に取材してつかんだ感触では、とうていそこまで伸びるような状況ではなさそうです。
もっとも大きな壁は「法律」。現在、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の管轄。幼稚園は教育基本法に基づいた「教育施設」、保育園は児童福祉法に基づいた「福祉施設」という区分けがなされているため、同じ年齢の子どもたちへの施設といっても、目的や基準がまったく違っているのです。
世間的な常識もなかなか変わりません。幼稚園は教育の場、保育園は親が働いている子どものための場という意識は、何よりも預ける側に強いため、その2つを一緒にした施設への理解が進みにくい、という実態もあります。
現在では文部科学省と厚生労働省の枠を超えたプロジェクトチームも出来て、認定こども園を推進しようとしていますが、まだまだ発展途上のシステムという感をぬぐえません。
実際に認定こども園に取材して、現場の声を聞いてみました。次のページへ。