年金/公的年金制度の問題

年金支給漏れ問題、危険度、対処法を検証

さて、内閣の屋台骨を揺るがせかねない「年金支給漏れ問題」。5000万件という数字を見て、他人事ではないと思われた方も多いと思います。支給漏れの可能性が高い人や対処法を検証します。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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「年金支給漏れ5,000万件」の衝撃

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名前を良く呼び間違えられる方は要注意!?
世間を震撼させている年金支給漏れ問題。ニュースや新聞だけでなく、ワイドショーや週刊誌まで、この問題を大々的に取り上げています。宙に浮いた年金納付記録が5,000万件もあるという、とてつもない数字には、皆さんも驚かれたことと思います。

60歳以上の年金受給世代の支給漏れについても、約2,880万件あると言われています。実際受け取っている金額が正しいものなのかどうか不安になっている方も多いのではないでしょうか。国が運営している年金の金額に疑いの目を持たなければならないって、本当にやるせない事態です。

そもそもこの宙に浮いた納付記録というのは、平成9年に基礎年金番号制度が導入された時期に遡ります。これにより1人に1つの年金番号が割り当てられたのですが、それ以前は、同じ人でも国民年金と厚生年金で番号が違ったり、厚生年金の番号が複数あるなんていうことが普通にありました。

これを1つの番号に統合する際に、統合できなかったものが多数出てきたということなのです。複数の番号があるということは、複数の納付記録があるということで、統合できなかった(宙に浮いた)ものが5,000万件あったというのが事の真相のようです。

そうすると、「何故、統合できなかったのか?」これが疑問ですね。

統合漏れの原因 ポイントは「名前」!?

国が統合の際に同一人であること確認する手段は、「名前」と「生年月日」です。名前(読み仮名)と生年月日が一致する番号(納付記録)を統合するわけですが、どうもその「名前(読み仮名)」に問題があったようです。

これは、どうやら制度やシステムの問題と言うよりも、入力ミスや確認漏れといった人為的なものであるようです。

たとえ同一人の納付記録であっても、名前を正確に入力できていなければ、同一人物と判定されないことになります。日本語は漢字と仮名があるわけですが、仮名を正確に入力できていなかったケースがかなりあるようです。

例えば「川田 正一さん」という方がいます。問題はこの方の「読み仮名」です。苗字は「カワタ」かもしれませんし、「カワダ」かもしれません。名前についても「ショウイチ」とも読めますし、「マサカズ」とも読めます。

同じ川田 正一さんでも、1つの番号に振り仮名を「カワダ マサカズ」と入力し、別の番号に「カワダ ショウイチ」と入力してしまうと、別人となってしまうわけです。「カワタ」と「カワダ」でも別人と判断されて統合されていないと思われます。

読み仮名だけの問題ではなく、結婚で苗字が変わったような場合も旧姓のままで番号が残されていると、別人と判断され統合されないことになりかねません。これらのケースに該当する方は、確認が必要ですね。

次ページで支給漏れ防止対策を検証
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