流通改革! 自販機に缶ジュースを並べなきゃ!
次世代機で最も数が揃ってるソフトや、XboxLiveなど、Xbox360の魅力をお客さんに訴えかけられる、そんな販売の現場が必要なのかもしれません |
アップルも当時、販売が落ち込み、店舗で扱われてはいるものの、売り場の片隅にひっそりと存在するような状態でした。そこから再生への道を作った逆転の1手は、通常考えるような営業による販路の拡大ではありません。なんと、その逆。アップルが行ったのは販路の縮小だったんです。しかも、その当時3000店舗とも言われていたアップル製品取り扱い店舗を、なんと一気に100店舗まで絞るという大改革を行ったのです。これは相当の覚悟がなければできません。
売り場の隅に小さなスペースで並べられてるだけのお店。値段と商品名だけ表示してあって、実物の展示も実演もしてもらえないお店。お客さんに勧めてもらえないお店。そういうお店がいくらあっても本当の意味で商品がならんだことにはならないとアップルは考え、新規のお客さんを獲得することはできないと判断したんですね。やっぱり、なんだかXbox360の状況に似ていますよね? 販売店舗を100店に絞ったかわりに、アップルは店舗と一緒になって売り場を作っていきました。その結果、iMacというヒット商品を広く世に送り出すことができたのは皆さんもご存知の通りです。
私はXbox360というハードは非常に価値の高い、面白いゲーム体験ができる商品であると思っています。しかし、売るのはとても難しい商品です。例えば本体の売り方です。2007年9月27日、Xbox360最大の期待作であるHalo3の発売と同時に、Xbox360 Halo3 スペシャル エディションというHalo3仕様の本体が発売されました。通常のXbox360にXbox360コアシステム、さらに2007年10月11日にはXbox360エリートも発売されます。この全てがXbox360でありながら、中身が違うのです。これではお客さんは困ってしまいます。
店頭でお客さんが悩まずにすむためには、ポップや、中身の展示、あるいは懇切丁寧な説明など、店舗の対応が非常に重要になるはずです。お店の隅に値段や商品名が書いてあるだけで売れるわけがありません。「250タイトル ドレにする? 」このキャッチコピーを現実のものとするためには、お店にズラリと250タイトルが並んでこそでしょう。それで初めて他の機種をタイトル数で圧倒することができるのですから。ゲームの試遊、XboxLiveの体験、これらも欠かせないものであるはずですよね。
Xbox360がここから少しでも挽回する為には、そしてさらに次の世代に繋げていくためにはそういった、核となり、新しいユーザーに興味を持ってもらい、既存ユーザーに安心できるサポート提供する販売店舗を作る必要があるかもしれません。今は確実に、自販機にジュースを並べていくことが大切なのではないでしょうか。
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