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掲載日: 2002年 02月 05日

▼事例研究:赤字から事業再生した翻訳会社 ネットで新規顧客開拓3つの秘訣

文章:藤田 幸江(All About「ビジネスへのネット活用」旧ガイド)

※本記事が役に立つと思われる友人・知人・同僚の方がいらっしゃいましたら、どうぞお知らせください。>こちらから。


「売れているオンラインショップは、宣伝・広告に経費をほとんどかけていない」
という事実をご存知だろうか。零細な組織が膨大な費用のかかるマーケティング活動にお金をつぎ込んだら利益はなくなってしまう。

ではどのように商品を買ってくれる顧客をサイトに惹きつけているのだろうか、と疑問がわく。

本コラムでは、オンラインショップではないが、広島市の翻訳会社トランスワードが取引が低迷する苦境から脱出するために、いかにネットを効果的に利用し、顧客を開拓、収入を確保していったかを取り上げてみたい。

売るものがモノであってもサービスであっても、顧客の信頼を勝ち取る基本は同じである。

記事のタイトルになっている「ネットで新規顧客開拓3つの秘訣」について、私は下記のように捉えている。


1.優良な商品・サービスを生み出すノウハウの公開
2.顧客に商品・サービスの品質を実際に理解してもらうツールを用意
3.気軽に問い合わせができる仕組みの設置

   


トランスワードの奮戦記を読みながら、どのように顧客獲得に取り組んでいったかを上記の3つを抑えながら考えてみよう。

◆ 創業2年目に赤字の危機を迎える

トランスワードの現在の社長、仲谷幸嗣氏は学校卒業後、造船会社に電気エンジニアとして入社した。海外とのやり取りが多く、勉強熱心な仲谷氏は英検1級を取得。その後自動車メーカーにて海外サービスを担当。37歳になったときに翻訳を一生の仕事として視野に入れるようになる。

山口県にある進学塾が、おりからの少子化対策として新規事業にて翻訳サービスを始めようとしていた。仲谷氏は、自動車メーカー退職を決意、進学塾にて翻訳部門立ち上げることになる。翻訳業務は、東京、広島、アイルランドの3つの事務所で展開された。

そして、5年後。仲谷氏は、広島の事務所をのれんわけとして譲り受けることになる。当時のスタッフは6名。クライアントからの受注も以前と同様に取れたため、初年度から黒字を達成、ここまでは順調だった。

けれども2年目に早くも最初の試練。アジア通貨危機が1997年に起こり、同社は苦境に立たされる。それまでアジアやインドネシアに工場をもつメーカーから、製造ノウハウや社員トレーニング文書の翻訳を主に請け負っていたが、通貨危機によりそれらメーカーのプロジェクトのキャンセルが相次ぎ、受注量は激減。トランスワードの売上は3割ダウンの赤字経営と陥った。

仲谷氏は、「このままではやっていけない。新規顧客開拓をしなければ」と策を練る。