掲載日: 2004年 04月 27日
吸引事故にも損害保険適用!
2004年3月、東京・有楽町で日本ALS協会主催の「吸引フォーラム」が開かれました。今回はその報告の後編。出席した厚生労働官僚に対して厳しい質問、切実な意見が相次いだ質疑応答の様子を紹介します。
>>>記事第1弾「ALS患者の痰吸引で意見交換」はこちらから<<<
■発言者■
厚生労働省医政局医事課 課長補佐 泉 潤一 氏
患者家族 上原明美 氏
医療法人財団ファミーユ 理事長 駒形清則 氏
社団法人日本看護協会政策企画室 室長 小川 忍 氏
訪問介護 お天気介護サービス 取締役 奥田美枝子氏
□■吸引をヘルパー業務に含めてほしい!■□
ALS患者家族→厚生労働省 泉氏
質疑応答が始まると、まずALS患者家族から「今回の通知は、介護保険制度に触れていないので、ホームヘルパーは業務として吸引を行うことができない。そのため、訪問介護事業者は吸引ができるヘルパーを積極的に育てようとしない。制度に則ってこの件の対応を進めてくれないと困る」という発言がありました。
これに対する厚生労働省・泉氏の答えは、「本来は医療関係者が提供できる環境を整えるべきだと考えている」というもの。つまり、現状ではヘルパーに業として痰の吸引を認めることはしないし、今後も、それを認めるよりは医療関係者が行える環境を整えることに力を入れたい、ということです。
当然、患者家族には満足できる回答ではなかったと思います。現状、そうでないから困っている、先のことより、今困っているこの事態を何とかしてほしい、という患者家族の思いと官僚の答えはすれ違うことが多かった質疑応答でした。
しかし、厚生労働省がこのように考えていること自体は、私は間違っているとは思いません。ただ、現状困っている人たちを救済するための手だてはほしいと思いますし、医療関係者が吸引を行える環境づくりを、かけ声だけでなく、本気で早急に進めることが前提。その本気の姿勢が見えないから、患者も家族もいらだちを隠せないのだと思います。
□■財源不足で訪問介護を受けられなくなる!■□
ALS協会・愛知支部 → 厚生労働省 泉氏
今回のフォーラムには、全国各地のALS協会支部からの参加者が見られました。その中の一人からは、「介護保険のワクでは足りず、支援費も使っているが、支援費の財源不足で、行政から身体介護を日常生活支援に変えるよう言われている。
生活支援をやっている事業所は少ない上に、吸引を入れた生活支援は受けられないと言われてしまった。通常障がい者と、医療的介護が必要な全身性障がい者が同列に扱われること自体に疑問を感じる」という発言がありました。
これに対する厚生労働省・泉氏の回答は「包括的に対応すべきだと考える」。それってどういうこと? 具体的にどうすればいいの? と、誰もが思ったと思います。すると、この痰吸引問題を検討した、厚生労働省の分科会委員の1人、東北大学大学院医学系研究科講師・伊藤道哉氏が、見かねて「身体介護が必要な人に対して、生活支援に切り下げることを強要するのは、誠に遺憾。断固拒否してほしい」と発言しました。聞いていた誰もが救われた思いがしたと思います。
しかし、断固拒否できるものなのでしょうか……。
>>>記事第1弾「ALS患者の痰吸引で意見交換」はこちらから<<<
■発言者■
厚生労働省医政局医事課 課長補佐 泉 潤一 氏
患者家族 上原明美 氏
医療法人財団ファミーユ 理事長 駒形清則 氏
社団法人日本看護協会政策企画室 室長 小川 忍 氏
訪問介護 お天気介護サービス 取締役 奥田美枝子氏
□■吸引をヘルパー業務に含めてほしい!■□
ALS患者家族→厚生労働省 泉氏
質疑応答が始まると、まずALS患者家族から「今回の通知は、介護保険制度に触れていないので、ホームヘルパーは業務として吸引を行うことができない。そのため、訪問介護事業者は吸引ができるヘルパーを積極的に育てようとしない。制度に則ってこの件の対応を進めてくれないと困る」という発言がありました。
これに対する厚生労働省・泉氏の答えは、「本来は医療関係者が提供できる環境を整えるべきだと考えている」というもの。つまり、現状ではヘルパーに業として痰の吸引を認めることはしないし、今後も、それを認めるよりは医療関係者が行える環境を整えることに力を入れたい、ということです。
当然、患者家族には満足できる回答ではなかったと思います。現状、そうでないから困っている、先のことより、今困っているこの事態を何とかしてほしい、という患者家族の思いと官僚の答えはすれ違うことが多かった質疑応答でした。
しかし、厚生労働省がこのように考えていること自体は、私は間違っているとは思いません。ただ、現状困っている人たちを救済するための手だてはほしいと思いますし、医療関係者が吸引を行える環境づくりを、かけ声だけでなく、本気で早急に進めることが前提。その本気の姿勢が見えないから、患者も家族もいらだちを隠せないのだと思います。
□■財源不足で訪問介護を受けられなくなる!■□
ALS協会・愛知支部 → 厚生労働省 泉氏
今回のフォーラムには、全国各地のALS協会支部からの参加者が見られました。その中の一人からは、「介護保険のワクでは足りず、支援費も使っているが、支援費の財源不足で、行政から身体介護を日常生活支援に変えるよう言われている。
生活支援をやっている事業所は少ない上に、吸引を入れた生活支援は受けられないと言われてしまった。通常障がい者と、医療的介護が必要な全身性障がい者が同列に扱われること自体に疑問を感じる」という発言がありました。
これに対する厚生労働省・泉氏の回答は「包括的に対応すべきだと考える」。それってどういうこと? 具体的にどうすればいいの? と、誰もが思ったと思います。すると、この痰吸引問題を検討した、厚生労働省の分科会委員の1人、東北大学大学院医学系研究科講師・伊藤道哉氏が、見かねて「身体介護が必要な人に対して、生活支援に切り下げることを強要するのは、誠に遺憾。断固拒否してほしい」と発言しました。聞いていた誰もが救われた思いがしたと思います。
しかし、断固拒否できるものなのでしょうか……。
関連用語: 介護保険制度 / 厚生労働省技能審査認定制度 / ホームヘルパー / ホームヘルパー / 損害保険 /

