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雇用保険未加入、受給資格未達の人には朗報! 離職者支援資金貸付制度

失業しても、雇用保険に加入できていなかった、もしくは受給資格を満たせなかった人などに対する救済制度のご紹介です。

執筆者:西村 吉郎


失業者の救済制度として雇用保険はよく知られるところですが、この雇用保険は、受給資格を得るためには最低6カ月以上の加入期間があることが条件となっているため、大学などを卒業して入社半年以内に会社が倒産した場合や、もともと加入資格のない自営業者、勤務時間が短すぎるために加入資格が得られないパート労働者などは初めから利用できません。また、雇用保険の受給資格がある人でも、給付期間切れとなってもなお再就職できず、生計を維持することが困難になる場合もあります。

これらの事情による失業者世帯に対するセーフティネットとして、一定の条件のもとに新たに生活資金を貸し付ける制度があります。「離職者支援貸付制度」と呼ばれるこの制度をご紹介します。

●支給対象
次の用件のすべてに該当する人が対象となります。
(1) 生計を維持するために中心となって働いてきた人(生計中心者)の失業によって、生計の維持が困難になった世帯であること。失業前に、生計中心者が家計を支えていたという実績が必要です。また、多額の預貯金を持っていないことなども要件となります。
(2) 生計中心者が就労することが可能で、求職活動を行っていること。健康な状態で、新しい仕事に就くために努力をしていることなどです。
(3) 生計中心者が就労することにより、世帯の今後の見通しが明らかなこと。生計中心者が就労してもその人の収入では生計が維持できない場合や、あまりにも多額の負債を抱えている場合には対象となりません。
(4) 生計中心者が離職した日から2年(新たな職に就くために必要な知識・技能を習得している場合は3年)を超えていないこと。
(5) 生計中心者が雇用保険の一般求職者給付を受給していないこと。もとから失業給付の受給資格がない場合や、受給期間が終わってしまった場合などです。雇用保険の失業給付を受給している間は制度を利用することはできません。

●貸付条件
・貸付限度額  月額20万円(単身者の場合は10万円)
・貸付期間   申込書の受理日から12カ月以内
・貸付の利率  年3%
・貸付金の償還 貸付期間終了後6カ月間無利子で据え置き。据置期間終了後7年以内に償還
・連帯保証人  原則として1名

●必要書類
・窓口でもらう書類/申込書同意書(生活保護受給や他の貸付延滞調査などの調査についての同意書)
・添付書類/世帯の状況が明らかになる書類→住民票など
      失業前に収入があったことを証明する書類→住民税課税証明書、源泉徴収票、所得税の確定申告書など
      失業した時期が明らかになる書類→離職票、雇用保険受給者資格証、個人事業の廃止届など
      現在の求職状況が明らかになる書類→求職受付票など
      雇用保険受給資格者証(雇用保険を受給していた人)  

●貸付決定までの流れ
下記申し込み窓口に申し込み後、各市町村社会福祉協議会での審査を経て、都道府県社会福祉協議会で再審査されます。貸付決定(否決)通知は、申込者に直接通知書として送付されます。

●その他の条件
借受けが決定したあとは、毎月10日までに、各都道府県の社会福祉協議会または下記申し込み窓口宛に「就業状況報告書」を提出すること。この報告書が提出されないときは、貸付が停止されることがあります。

●手続き窓口
住んでいる地域の各市区町村社会福祉協議会
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