その脇汗 “体質だから”と諦めていませんか?実は脇汗は皮膚科に相談できるんです

気温が高くなるこれからの季節、脇汗の悩みが気になる方も多いのではないでしょうか。汗ジミやべたつきが気になるものの「対策してもなかなか改善しない」「手術は不安」という声も少なくありません。そんな脇汗の悩みについて、皮膚科専門医の玉城有紀先生に、治療法の選択肢や保険適用となるケースを伺いました。

提供:マルホ株式会社

お話をうかがった方

玉城有紀

溝の口駅前皮膚科、自由が丘ファミリー皮ふ科、二子玉川ファミリー皮ふ科 総院長:玉城有紀

帝京大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院での研修を経て、東京女子医科大学皮膚科学教室入局。町田市民病院皮膚科勤務を経て、皮膚科専門医取得。2014年溝の口駅前皮膚科開院、2019年自由が丘ファミリー皮ふ科開院、2020年二子玉川ファミリー皮ふ科開院。テレビや雑誌などメディアへの登場も多く、皮膚疾患の治療や予防に関する正しい情報を積極的に発信している。

止まらない脇汗。「体質だから仕方ない」と諦めていませんか?

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高温多湿の日本の夏。ベタベタと不快な汗はどうしても敬遠されがちですが、「汗は身体にとって欠かせない役割を果たしている」と玉城先生は言います。

玉城先生(以下敬称略)「汗が蒸発する際に体表面の熱を奪うことで体温を下げ、脳をはじめとする体の組織を守っています。これは運動したときも同様で、汗は体温調節に欠かせない機能です。また、汗には皮膚保湿作用や感染防御作用などの働きもあります」

一方で、外気温や室温が高くなく、運動をしたわけでもないのに、支障を来すほど汗をかく状態になる人もいるとのこと。衣類の汗ジミが気になって着る服を選べない、人前で腕を上げることに抵抗がある、頻繁な着替えが必要になるなど、汗による日常生活への影響が気になる方もいるのでは?

玉城「それは『多汗症』の症状です。なかでも、ほかの病気や薬の副作用などの明らかな原因がないにもかかわらず、脇の下に生活に困るほどの汗をかく病気が『原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)』です。多汗症は決して珍しい病気ではありません。日本人の約10人に1人が多汗症で、そのうち59%が原発性腋窩多汗症というデータもあります※1

実は玉城先生自身も、かつて原発性腋窩多汗症に悩んでいたひとりです。

玉城「気に入って着ていた白いコートを翌年の冬にクローゼットから出したとき、脇の部分に汗ジミを見つけたんです。自分ではそれほど汗をかくほうだと思っていなかったので驚きました。また当時は保険で処方できる薬がなかったため、外科的な治療も受けるなど、とても悩みました」

自身も悩んだ経験があるからこそ、患者さんの気持ちがよく分かると話します。ただ多くの方が「体質だから仕方がない」と考えがちだと玉城先生。また、汗の量は血圧や体温のように数値で他人と比較できるものではなく、季節によって、またストレスや緊張など精神的な要因によって常に変化しています。そのため、「自分が気にし過ぎているだけかもしれない」「みんなも同じくらい汗をかいているのではないか」と考え、ひとりで悩みを抱え込んでしまう方も少なくないのだとか。

※1 出典:マルホ株式会社調べ 調査方法:Webアンケート調査 調査対象者:15~69歳の一般生活者60,969名 調査実施日:2020年12月

脇汗の症状は軽減が期待できる?現代の脇汗治療の選択肢

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日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、「明らかな原因のない過剰な発汗が6カ月以上続いていること」を前提として、「25歳以下で発症した」「左右対称に発汗がみられる」「睡眠中は発汗が止まっている」「週1回以上の多汗エピソードがある」「家族に同様の症状がある」「発汗によって日常生活に支障をきたしている」の6項目のうち2項目以上に該当する場合、原発性局所多汗症と診断される可能性が高いとされています。

なかでも重要なのは、衣類の汗ジミが気になるなど、発汗によって本人がどの程度日常的に困りごとを抱えているかという点です。また、実際に診察の場でも長年汗に悩みながら「相談してよい症状だと思わなかった」と話される患者さんが多くいるそうです。

玉城「汗をかくこと自体は体温調節のために欠かせない自然な働きです。そのため治療では汗を完全に止めるのではなく、過剰な発汗を適切にコントロールし、日常生活での困りごとを軽減してQOL(生活の質)を改善することを目指します」

玉城先生によれば、原発性腋窩多汗症は適切な診断と治療によって症状の軽減が期待できる場合があるとのこと。

玉城「近年では、原発性腋窩多汗症に対する治療の選択肢が広がっています。一定の診断基準を満たした場合には、健康保険を適用した治療を受けることも可能です。

現在、保険診療で処方できる外用薬には、シートタイプとゲルタイプの2種類があり、1日1回脇に塗ることで、汗を出す指令をブロックして過剰な脇汗を抑えます。いずれも診療ガイドラインなどを踏まえて広く使用されている治療薬で、小学校高学年以上であれば、医師と相談の上、使用することができます」

いくらかかる?期間は?気になる脇汗の診察の流れ

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では、実際の診察はどのように行われるのでしょうか。

玉城先生によると、患者さんから脇汗による困りごとの内容や程度などを聞いたうえで、患者さんの希望に寄り添うとのこと。

玉城「問診では、先ほどご紹介したガイドラインの診断基準に当てはまるかどうかを確認します。合わせて脇汗の程度や、日常生活にどのくらい支障があるかといった内容もお聞きします。必ずしも脇を見せる必要はなく、診察は数分で終わることがほとんどです。また、診察時に汗をかいていなくても診断は可能です」

玉城先生のクリニックでは、治療を希望される方にさまざまな治療法について説明し、そのうえで初めて治療を受ける場合には、まず保険診療から始めることを勧めているそうです。その際、質問されることが多い費用や期間などは特に丁寧に説明し、患者さんが納得して判断できるように心がけているそうです。

玉城「初回は1カ月を目安に試していただき、使い心地などを確認していただきながら、ご希望があれば継続して処方します。保険診療で処方できる外用薬の目安は3割負担の場合で1日あたり約70〜100円、1カ月では2,000〜3,000円程度です。※2※3

保険診療で用いられる外用薬は、毎日のスキンケアのように継続して使用することで、汗による不快感や日常生活への影響の軽減につながります。汗が気になりやすい季節を中心に使用するなど、ライフスタイルや症状に応じて医師と使用のタイミングを相談することもできますよ」

※2 受診時には別途、初診料・再診料などが必要になります。
※3 自治体による医療費助成(子ども医療費助成制度、義務教育就学児医療費など)や、通学中の学校が設けている医療費補助制度(学生健康保険互助組合(学生健保)など)が適用になることもあります。

身近な皮膚科で治療が可能。ひとりで悩まず医師に相談してみては?

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玉城「処方した薬を使って1カ月後に再診された患者さんの多くが、継続を希望されます。脇汗のために日常生活の中で感じていたストレスが軽くなったので、もっと早く知りたかったという声も聞かれます。

また、もともとアレルギーやにきびなど別の症状で来院された方が、待合室のポスターを見て相談されるケースも少なくありません。そうした患者さんからは、『まさか近所の皮膚科で脇汗の相談と治療ができると思わなかった』という声をよくいただきます」

玉城先生は、「脇汗について普段通っている身近な皮膚科で相談できることや、原発性腋窩多汗症の治療が保険診療で受けられることを知らない方は、まだまだたくさんいると思います」と話します。

多汗症は、周囲にはその悩みに気づかれにくい一方で、本人にとっては服選びや人との関わり方にまで影響することがある症状です。脇汗による困りごとを抱えている人や、お子さんなど家族の脇汗が気になっている人は、ひとりで悩み続けるのではなく、一度近くの皮膚科に相談してみてはいかがでしょうか。