コロナ禍でも売り上げアップをあきらめない!DXで実現可能な顧客の利便性とサービスの向上とは
営業時間が制限され、アルコールが提供できず、売り上げの低迷から脱することができない───。そんな厳しい飲食業界にあっても、創意工夫で苦境を乗り超えている企業は少なくはありません。からあげブームの先駆けとなった『がブリチキン。』を全国展開する株式会社ブルームダイニングサービスもそのひとつ。その戦略と想いについて、担当者の2人にお話を伺いました。
提供:株式会社ジェーシービー
からあげとハイボールというダブルキラーコンテンツ
営業本部第1営業部 部長 柴野敬人さん
日本人の誰もが好む「からあげ」と、いまや定番となっている「ハイボール」。この2つのキラーコンテンツを組み合わせ、バル酒場という女性客を意識したポップな店舗形態で提供する。この発想から生まれたのが、『骨付鳥、からあげ、ハイボール がブリチキン。』(以下、がブリチキン。)です。
名古屋に本社を置く株式会社ブルームダイニングサービスが、その1号店をオープンさせたのは、2011年。4年後にはFC展開を行い、現在、全国に80店舗以上を展開しています。その成長要因について、同社営業本部 マーケティング戦略部 部長の加藤さんはこう語ります。
「まずはメインとなるからあげの開発でしょう。弊社は絶えず商品の磨き込みを行い、工夫を重ねることで、日本唐揚協会の主催する「からあげグランプリⓇ中日本しょうゆダレ部門」で10年連続金賞を受賞しています。からあげ市場はここ数年で大きく拡大し、店舗数で弊社を上回る大手もあります。しかし、ここまで積み上げて来た商品力、お客さまからの信頼度は、決してどこにも引けを取らないと自負しています」
さらに、社内にデザイン制作チームを置くなど、自社キャラクターのブランディングにも力を入れています。そこから誕生した「がブ吉」は、鶏をモチーフに、仕事はさっぱりできない万年係長(41歳)という設定。店内の至る所に描かれ、LINEスタンプや関連グッズもあります。その愛らしくも、どこか哀愁漂うキャラクターは、『がブリチキン。』のファン作りに、大いに貢献しているのです。
テイクアウトの売り上げが30%以上アップしたわけ
店舗数、業績を好調に伸ばしてきた『がブリチキン。』ですが、コロナ禍の影響は避けられませんでした。アルコールを提供する店舗を多く運営するだけに、全社的にはコロナ禍前の2019年比で店内売上は70%~80%に現在も留まっているといいます。そんな中、売り上げを伸ばしているのはやはりテイクアウトです。
「以前からバルでもテイクアウトは行っていましたが、町歩き用にカップで提供する程度。そこに、からあげ弁当を加えるなど、メニューを強化したのは、2020年5月から。売り上げは、コロナ禍の前と比較して30%以上はアップしています」
と語る同社の営業本部第1営業部部長の柴野さん。外での飲食が限られるため、テイクアウトのニーズが高まる。その流れにいち早く乗った形です。しかし、実はその伸びをさらに加速させたツールがありました。それが、2022年1月から導入している、スマホで事前に注文できるテイクアウトモバイルオーダーです。
JCBカード決済キャンペーンも実施中
「お客さまが待たずに商品を受け取ることができる。それが最大のメリットです。今まで店頭で注文を受けると、混み具合等によっては10〜15分は待っていただくこともありました。また、注文と同時にクレジット決済ができるため、店頭での会計のやりとりも不要。テイクアウトがより便利で効率的なものになったことは、間違いありません」(柴野さん)
現場の抵抗に反し、モバイルオーダーはメリットしかなかった
モバイルオーダーそのものは、その前年の4月に、店内注文用のサービスとして導入済みでした。それは、顧客が自身のスマホでQRコードを読み取り、画面に表示されるメニューから注文ができるというもの。しかし、その導入には当初、現場での抵抗があったと柴野さんはいいます。
「ウチの強みは、サービス。お客さまに対して積極的にコミュニケーションを取って、楽しんでもらい、店のファンになってもらう。そのことをずっと努力してきたわけです。それがスマホでオーダーできるとなれば、お客さまと接する機会そのものが減ってしまう。正直これはデメリットでしかないと感じました」
しかし、実際は、多くのメリットを得ることになります。顧客はホールスタッフの動きや店内の状況を気にすることなく、自分のタイミングで注文ができる。スタッフもオーダーに費やす時間が減った分、より詳細な商品説明など、逆にサービスに充てる時間が増える。さらに、慣れてくれば、顧客に負担をかけずに、スタッフそのものの数を減らすことも可能になります。
「システム自体は、Showcase Gigの「O:der(オーダー)」というサービスなのですが、導入時のサポートだけでなく導入後の運用企画(キャンペーン)のご提案やメニュー分析をお手伝い頂いたり、消費者目線でのフィードバックを頂いたり、飲食店に寄り添うJCBさんの加盟店に対してのサポートに感謝しています」(柴野さん)
非アルコール業態での顧客開拓が今後のカギを握る
テイクアウトに新しい可能性を見出している『がブリチキン。』ですが、業績の落ち込みへの対策は、それだけではありません。
まず、『がブリチキン。』の業態の拡大です。基本となるバル酒場、居酒屋の他に、ランチ専門店、レストラン(SC店)、テイクアウト専門店、キッチンカーと、からあげをメインに増やしてきました。中でも、ショッピングセンターのフードコートに店舗を構えるSC店は業績が好調で、客単価は平均980円。月1,000万円を売り上げる店舗もあるといいます。
「買物帰りのファミリー層といった、居酒屋とは異なる新しいお客さまが増えています。そこで、他の業態ではなかった種類豊富な金賞受賞からあげ定食や、こだわりの親子丼、お子様用メニューなどをメニューに加えました。もちろん、安売りはせず、からあげの価値を維持するようポジショニングを取ることも重要です。現在の6店舗から、来期は10店舗以上の新規開店が控えていて、このSC店の売り上げの伸びが、今後の全社の業績の押し上げにおいて重要だと考えています」(加藤さん)
さらに、飲み会の2次会の減少という顧客の生活動向の変化。その対策として、客単価を上げるための新商品開発なども行っています。
「もうひとつ、これは他社さんでも苦労されている点だと思いますが、人材の流失を防ぐということ。弊社でも、この状況で離職は相当数ありました。エンゲージメント(個人と組織がお互いに成長し、貢献し合う関係)の向上を、来期は第一に取り組んでいきたいと考えています」(加藤さん)
DX化を含めすべての人と街に幸せの花を咲かせたい
営業本部マーケティング戦略部 部長 加藤秀太さん
業績の低迷、売り上げ不振の打開策として、商品開発や業態の拡大といった方策はもとより、業務のDX化も現在では欠かせません。『がブリチキン。』もそれは同様です。
DXに関する取組みを伺うと、まずは公式アプリの導入をあげてくれました。クーポンの配布といった特典に加え、来店数に応じて、顧客のグレードがアップする仕組みを取り入れています。それにより、ヘビーユーザーが多い店、少ない店を分析するというもの。そういったデータを、売り上げの向上、店舗運営の改善に活用します。
「それと、DXといえば、さきほども話に出ましたテイクアウトモバイルオーダーも、チェーン展開の中で構築化を目指しています。現在、町田や名古屋、SC店など、地域性の異なるエリアの店舗で導入していて、どういう形が効果的かサンプルを取っています。今後はJCBさんにも協力をいただきながら、キャンペーンやPRも含め、進めていきたいと考えています」(加藤さん)
最後に、コロナで苦しむ同業の方々に、メッセージをいただきました。
「本当に厳しい状況が続いています。それでも、居酒屋で飲みながら話すからこそ、縮まる距離感、楽しい思い出があります。飲食店でしかできないこと、それは今後もなくならないと、信じています。外食の数は減っても、1回の外食をいかに楽しく、また来たいと思ってもらえるものにしていくか。そのために、あきらめることなく、飲食業界全体で高めあっていければと思っています」(加藤さん)
『がブリチキン。』を運営する、株式会社ブルームダイニングサービスには、以下のような企業理念があります。「関わるすべての人、すべての街に幸せの花を咲かせる。」この言葉はそのまま、現在頑張っている飲食業界のすべての人の思いかもしれません。
この事例のように、JCBは加盟店様のビジネスを様々な面から応援しています。その詳細は以下のサイトで。
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