使用中のソフトは問題なく使える? Windows7から10への移行で注意すべきこと

2020年1月14日にサポートが終了するWindows7。今まさにWindows10への移行を進めている企業も多いでしょう。移行の際に気をつけたいことや、うっかり忘れがちなこと、また業務改善のアイデアなどを企業のIT活用の専門家が紹介します。

提供:アドビ システムズ 株式会社

お話をうかがった方

長谷川 渉

All About「企業のIT活用」ガイド:長谷川 渉

株式会社ナレッジシステムズ 代表取締役。多岐にわたるシステム設計・開発・導入・運用・保守に携わる。約20年にわたり、幅広い業種・業態でシステム開発・導入・コンサルティングを実施してきた経験を生かし、パソコンや周辺機器の買い替えタイミングから、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の活用、バージョンアップ対応、クラウドサービスの導入、社内IT環境の見直しポイント、セキュリティ対策、IT教育まで、企業のIT活用を包括的にサポート。

サポート終了後のWindows7、そのまま使っていても大丈夫?

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Windows7のサポートが終了しても、使い続けることは可能です。ソフトも継続して使用でき、保存したデータにも影響はありません。では、なぜWindows10に移行する必要があるのでしょう。

長谷川さん(以下敬称略)「サポート終了後は、マイクロソフトによるセキュリティ更新プログラムの提供や、技術的なサポートは受けられなくなります。つまり、バグ修正、コンピュータウィルスへの対策などが、一切提供されなくなってしまうのです。

最大のリスクは、このセキュリティの問題です。特にインターネットに接続された環境では、不正アクセスやマルウェアなど、悪意ある攻撃にさらされやすい状態に。情報漏えいの危険性も高まり、データ流出などが起きれば、企業として大きなダメージを負うことになるでしょう」

使用中のセキュリティソフトやその他のソフトも、Windows7向けのアップデートやサポートを終えるケースが増えそう。新しい機能が利用できなくなったり、動作に不具合が出るなど、業務に支障が出ることも考えられます。

Windows10への移行で、見落としやすいこととは?

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では、Windows7から10へ移行するとき、注意すべきポイントはどんなことでしょうか。

【移行前の準備】
長谷川「PCを買い換えないなら、使用中のPCがWindows10へ移行できる機種かどうか、メーカーサイトなどでチェックしておきましょう。買い換える場合は、現在使用しているソフトがWindows10にも対応しているかを確認してください」

各種データやファイルをスムーズに移動できるよう整理したり、効率を重視して移行ツールの利用を検討するなど、業務の合間に準備を進めておくことも大切です。

【移行後の注意点】
長谷川「意外に多いのが、操作方法の違いにとまどうケースです。例えばシャットダウンなどの基本操作も、メニューの表示場所が変わるため、困惑する人が少なくありません。基本的な操作をはじめ、よくある問い合わせは社内で一覧にまとめて、FAQとして共有するといいでしょう」

また、Windows10に移行して安心してしまい、個別のソフトのアップデートの見落しや後送りなども発生しがちなのだとか。

長谷川「中小企業の中には、社員個人にIT機器の管理を委ねられているところもあり、そういったケースでは、1つひとつのソフトにまで気が回らないのかもしれません。また、セキュリティソフトさえ最新ならPCは大丈夫、と思っていませんか? 個別のソフトもきちんとアップデートしないと、思いがけないトラブルが起こることもあるので注意が必要です」


よく使う『Acrobat』などのソフトは必ずアップデートを!

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Windows Updateのように、ソフトも自動でアップデートされると思っている人も多いようです。アドビの『Acrobat』や『Photoshop』『Illustrator』など、よく使われるソフトでも、アップデートは自動でなく任意なので、自身で対応する必要があります。

長谷川「アップデートには、不具合の改善や機能の追加、性能の向上が含まれます。最新・最善の状態で、より安全・快適にソフトを使用するために、必ず行なってください」

【パフォーマンスの問題】
アップデートしないと、ソフトが想定外の動きをしたり、固まったりという現象が生じる恐れもあります。せっかく追加された機能も使えないため、パォーマンスを充分に発揮できる状態とは言えないでしょう。

【リスクの問題】
セキュリティ上のリスクを抱えたまま、ソフトを使うことに。自分自身が安全に使用できなくなるだけでなく、対外的な信用にかかわるケースもありそうです。

長谷川「例えば、アドビの『Acrobat』でPDFファイルを作成して外部に送信した場合。『Acrobat』製品は、リリース日から5年経つとサポートが終了し、セキュリティのアップデートが提供されません。PDFを『Acrobat』で開くと、プロパティで作成したソフトのバージョン情報が確認できます。ここで、サポートが終了した古いソフトが使われていることがわかれば、危機管理意識の低い企業と見なされてしまう可能性があります」

よく使うソフトの最新版を確認しよう>>

OS移行のタイミングは、業務改善のチャンスにも!

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Windows10への移行は、新しいソフトの導入など業務改善を考える絶好の機会でもあります。

長谷川「今はクラウドサービスの利用が進んでいますが、検討してみるのはお勧めです。Windows10は正しくアップデートすれば、半永久的にサポートを受けられるとされています。新しいソフトを積極的に導入しても、PC上の環境を維持しやすいというメリットがあります」

新しいソフトを使って、これまで外注していた業務を内製化したり、修正対応を自社で行ってコストダウンや時短を図ることもできそう。

長谷川「クリエイティブな業務のある部署なら、『Photoshop』の簡単な使い方を覚えるだけで、写真のレタッチや補正など画像編集ができます。ロゴやイラスト・レイアウトなどのデータは、『Illustrator』で作成されたai形式でやり取りされることが多いでしょう。導入しておくとチェックがしやすく、簡単な修正などにも対応できるようになります」

PDFをよく扱う部署では、PDFの作成や編集ができる『Acrobat DC』を導入してみては? PDFにパスワードを設定したり、最適化してファイルサイズを縮小する、複数ファイルを統合するなど、閲覧に特化した『Acrobat Reader』にはない幅広い機能を利用して、業務の効率化が進められます。

長谷川「社内にシステム部などがあれば、ほしい機能を伝えればソフトの選定やサポート・導入の支援を受けられます。担当する部署がない場合、詳しい機能については開発元や販売元に問い合わせるのが一番確実だと思います」

Windows10移行と同時に導入を考えたいソフトは?>>

アドビ製品のアップデートや新規導入で、業務を快適に効率化

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2020年1月までにWindows7から10への移行は必須ですが、企業の一員として、それに伴うソフトのアップデートも忘れてはならないこと。セキュリティなどのリスクは社内外への影響が大きく、PCのパフォーマンスも低下してしまいます。

また、このタイミングで新しいソフトを導入するのもお勧めです。『Photoshop』『Illustrator』をはじめ、20以上のソフトが利用できる『Creative Cloud』なら、写真やデザイン・Web制作など、さまざまな業務の効率化が図れそう。

『Acrobat DC』があれば、信頼性の高いPDFファイルを作成できるので、対外的にも企業の危機管理体制をアピールできます。この機を活かし、PCを快適・安全に利用して効率をアップし、業務改善を図っていきましょう。

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