結婚観も大違い?20、30代女子の世代別「お金と人生」徹底研究

結婚や出産など人生の節目が続くことも多い20、30代の女性。あれこれ悩みも増える「お金と人生」について、同世代はどう考えているかも気になるのでは? そこで「働く女性」(キャリジョ)の調査・分析を行う、女性によるプロジェクト「キャリジョ研」に取材。その意外な実態を詳しく聞いてみました。

提供:財務省

お話をうかがった方

博報堂 キャリジョ研

博報堂 キャリジョ研

博報堂および博報堂DYメディアパートナーズの女性メンバーによる活動「博報堂 キャリジョ研」。女性のトレンドを集めたインサイト分析や、有識者ヒアリング、女子会形式の定性調査、インターネットによる定量調査、クラスター調査などから「働く女性」(キャリジョ)の仕事意識や消費意識を徹底的に分析しています。

20代と30代でギャップ?「キャリジョ研」に聞く、働き女子の世代分析

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就職、結婚、出産、マイホーム購入など人生の節目が続くことも多い、女性の20、30代。「結婚までにどれくらい貯めておくといい?」「教育資金はいつから貯め始めるの?」といった、お金にまつわるモヤモヤもどんどん増えていきます。

こうした「お金と人生」について同世代の女子はどう考えているのでしょうか? それを知る手がかりとして、「働く女性」(キャリジョ)をテーマに調査・分析を行っている「キャリジョ研」の皆さんに取材。キャリジョの意外(?)な実態を教えてもらいました。

まず結婚観や仕事観に関する調査を見てみると、結婚や出産などの後も「自分が働くことが自然」と考えるキャリジョの考え方が伝わってきます。

■「女性が働くことは、ごく普通のことだと思う」には「あてはまる(42.1%)」「ややあてはまる(51.0%)」と、9割以上が該当(※1)。

■「今後も仕事をしていると思いますか」には「ずっと仕事をしていると思う(61.1%)」「子育てなどで一度辞め、今よりも負担の軽い仕事をしていると思う(26.8%)」で9割近くが該当(※1)。

興味深いのは「仕事を続ける理由」に対する回答で、「子育てに必要なお金がほしいから」が4位にランクインしたこと(下表)。調査は子どもがいないキャリジョが対象なので、結婚や出産の前から、子育てや教育のお金の心配をする計画性も特徴の一つかも?

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これからも仕事を続ける理由(※1)

ただし「キャリジョ研」によれば、「子育てに必要なお金がほしいから」の意識が高いのは実は20代のキャリジョ。30代では20%〜30%台と低めの回答結果となっているそう。

キャリジョ研:「20代はSNSなどを通じて自分より上の世代の動向をしっかり見てシミュレーションできているのでしょう。子育てのお金を準備するのも、その大変さを実感しているからでは?」

この世代格差を実証するように、ライフプランについて聞いた調査では30代の方が不確実という結果に。

■「仕事、結婚、出産など、理想のライフプランを考えている方である」で、「あてはまる」「ややあてはまる」を合計した回答は、20代前半57.5%、20代後半58.0%と高いのに対して、30代後半では43.5%と過半数以下(※1)。

キャリジョ研:「ライフスタイルやライフステージが多岐にわたり、経済的にも生き方的にも自由度が高まる30代は、迷いも出てきて、『これがベストなライフプラン』と決められないのかもしれません」

キャリジョの興味のトップは「預貯金」!でも投資には消極的

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生きていくため、自分で好きに使うため、視野を狭めないため、将来の子育てに必要だからと、さまざまな理由から今後も仕事を続けたいと考えるキャリジョ。だからなのか「興味のあるもの」の調査では「預貯金」がトップという結果に。一方でリスクを前提にお金を増やすことには消極的なようです。

・「興味のあるもの」では、「ファッション(56.4%)」や「美容(56.2%)」を抜いて「預貯金(56.7%)」がトップ。また「節約術(41.6%)」にも興味を示すものの、「投資関係(20.3%)」への興味は低め(※2)。

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キャリジョ研:「キャリジョに限らず女性全般の傾向として、『金融関係の勉強をするのが苦手・面倒』『勉強してもわからないし、結局損しそう』といった意識が根強いのかもしれません。それよりは暮らしの無駄を省いたり、集中と選択で使うポイントを絞ったりして、生活の質を上げる工夫に達成感があるのでしょう」

また、結婚や出産でいずれお金が必要になるから、「そのときに備えて、まとまったお金を預貯金で貯めておくという堅実・安定志向も多いのでは?」といった意見もキャリジョ研の皆さんから聞かれました。

とはいえ預貯金は相変わらずの低金利。預貯金だけに頼るのではなく、他にも安全性が高く確実な選択肢はないのでしょうか? 実は「堅実・安定志向」のキャリジョでも期待できそうな、「元本割れしない」金融商品があるのです。

それが国が発行している「個人向け国債」です。名前は難しそうですが、1万円から利用できて、満期までは半年に1回利息がもらえ、満期になったら元本が戻ってくるというもの。仕組みはとてもシンプルで、銀行の定期預金と同じように考えればいいかもしれません。

現在の金利は年利0.05%。元金や利息の支払いは国が保証してくれるから安心感もあります。満期は10年、5年、3年の3種類で、いずれも購入して1年経ったら中途換金することも可能です。

「個人向け国債」についてもっと詳しく知る>>

「個人向け国債」なら結婚前から始めても大丈夫

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元金割れがなく、半年に1回利息が支払われる「個人向け国債」は、着実にお金を貯蓄するのに向いている商品。具体的には金利タイプや満期の違いで3種類が用意されています。

金利は、市場金利の動きに応じて金利が半年ごとに見直される変動金利と、購入した時の金利が満期まで変わらない固定金利(下図参照)。これに満期の違いが加わって、「変動10年」(変動金利で満期が10年)、「固定5年」「固定3年」(固定金利で満期がそれぞれ5年、3年)の計3種類となります。
個人向け国債

(出典:財務省)

個人向け国債

(出典:財務省)


いずれも購入して1年以上経ったら中途換金できるので、独身の頃から始めて着実に貯めつつ、結婚や出産などでまとまったお金が必要になったときに換金するといった使い方もできます。

キャリジョ研:「すでに年金は確定拠出型を採用する企業が増え、『自分で守って、自分で増やす』が当然になりつつあります。20代女子なら、未来の姿を想定し、そこから逆算して今を考える『バックキャスティング』志向をお金の勉強に活かしてみると、少し明るい未来が見えてくるかもしれませんね」

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出典:博報堂 キャリジョ研の各調査発表より
(※1)『20,30代の働く女性(キャリジョ)の意識調査』(2017年2月)
(※2)『キャリジョクラスター調査』(2014年10月)