宙空を腕で愉しむ時計、男心をくすぐる「カンパノラ」

ビジネスパーソンにとって、主に時計を選ぶ基準となるのが年齢や社会的な立場。しかしその一方で、遊び心を感じさせる工夫やデザイン性、また独自のコンセプトに激しく共感してしまう――そんな趣味や嗜好性をくすぐる時計に魅力を感じてしまうのも男ゆえ、ではないでしょうか。今回は、そんな男の本能に訴えかける時計について、時計ジャーナリストの菅原茂さんに聞きました。

提供:シチズン時計株式会社

お話をうかがった方

菅原 茂

All About「男の腕時計」ガイド:菅原 茂

1990年代より世界中で現地取材に取り組み、専門誌や雑誌に記事を多数発表。2003年から4年間ジュネーブ時計グランプリの日本人初代審査員を務める。雑誌や書籍、インターネットなど幅広い媒体にて活躍中。

「この時計でしか味わえない時間があるんです」

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「時を愉しむ」をコンセプトに、2000年のデビュー以来、独自の世界観を展開するシチズン「CAMPANOLA(カンパノラ)」シリーズをご存知でしょうか。これまで登場した各モデルには物語性があり、時計好事家には熱狂的なファンも多いことで知られています。

菅原さん(以下敬称略)「いまや時計は時刻を知ること以上に、持ち主の趣味や嗜好を表現するためのアイテムになっています。多くのビジネスパーソンにとって、どう見られるかということは、時計選びの重要な要素でしょう。ただ、それだけが時計選びの基準ではありません。出会った瞬間から目が離せなくなってしまう、そんなモデルがあるのも事実です。やはり理性を超えて心に飛び込んでくる“ロマン”は、男性にとって欠かさざるべきワードになってきます。時計でいえば『カンパノラ』シリーズなどはその最右翼でしょう」

カンパノラの特徴は、シチズンが培ってきた技術と芸術性の高いダイヤルとの融合にあります。各モデルが持つ物語性を、時計と芸術両面の技術が表現し、またその表現が素晴らしいからこそ、物語が完成する……唯一無二の世界がカンパノラにはあるのです。

菅原「男性は機械モノに対して『触りたい、いじりたい』という願望があると思うのですが、時計においてそうした願望が許される時間は手に入れたときの初期設定と、その後は時間合わせかクロノグラフくらいで、少し物足りない。そんな気持ちを十分に満たしてくれるのはカンパノラだけといっても過言ではないでしょうね」

今回、菅原氏が手にしているのは、この8月16日に登場する限定2モデル。「無光の空間」をテーマにしてデザインされており、「コスモサイン」と「ミニッツリピーター」がラインナップしています。2モデルの特徴はそのカラーリングにあります。

今回のテーマは「宇宙はなぜ暗いのか?」という問いを出発点に、光で満たすことのできない広大な宇宙を「無光の空間」として捉え、反射することなくすべての光を吸収する「黒」で表現しているのです。

闇の静寂に響く余韻を味わう「ミニッツリピーター」

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ミニッツリピーターとは、現代のような照明がない時代、「無光の空間」である暗闇でも時刻を知るために開発された機構です。

菅原「古き時代、時を知る手段は教会の鐘の音でした。その後、その機能は懐中時計に搭載されるようになっていきます。音を鳴らす機構は、技術の砦は美しきその音色にあり、技術者も最高の音をつくるべく努力してきました。ですからこのモデルも音こそが命なわけです。(実際に音色を聞いて)アナログ同様の音色ですね。設計した技術者の方々は、相当、いろいろな音を聞いたことでしょう、澄んだいい音です」

「ミニッツリピーター」がその音で参考にしたのは「水琴窟(すいきんくつ)」。日本庭園における技術のひとつで、手水鉢などから水滴が落ちる際、水滴を地中に埋めた甕(かめ)などの空洞に落とし、その際に発生する音を共鳴させる仕掛けのことをいいます。日本の伝統美を時計に活かされている点もカンパノラの魅力といえるでしょう。

菅原「このモデルにはミニッツリピーターと永久カレンダーが搭載されていますが、ともに複雑な機構であることで知られていて、機械式であれば何千万円という価格になることは確実です。しかもその音色を聞くことができる人はごくわずか。カンパノラを手にすることで、時の愉しみ方を多くの人たちが体験し、実際の音を体感することができる。純粋に音色が楽しめる、それだけでもすごいことですよね」

同モデルで奏でるのは、水滴が生み出す琴の音に似た、透明感と深みのある高低2種類の音。この音もさることながら、菅原氏が評価するのは、この2種類の音の組み合わせを変え、アラーム音が朝、昼、夜と時間帯によって3種類の音色に変化すること。

菅原「IC制御だからこそ、時間帯によって音色を変えるという余裕がある。こうした点もカンパノラの独自性になっています。ヨーロッパの音色に比べて、私にはちょっと和風なテイストが感じられます。ただし感じ方は人それぞれ。ぜひ多くの人に聞いてもらいたいですね」

暗闇で時を奏でる、ミニッツリピーターの音色をチェック>>

腕に乗る宇宙に心を解き放つ「コスモサイン」

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「コスモサイン」は2000年のカンパノラ誕生時に登場した、シリーズ定番モデルのひとつです。北緯35度で見える夜空、つまり日本の夜空を文字板に写し取ったモデルで、文字板には4.8等以上の恒星1027個、星雲星団166個が表示され、月盤による月齢や日の出・日の入りの時刻を読み取ることもできます。

菅原「日本の星空をここまで精微に表現したモデルはほかになく、あっても注文品であったり、ヨーロッパの星空であることが多いもの。こうして手元で日本の空を楽しめることは、このモデルの大きな魅力といえますね」

菅原氏が高く評価する文字板はその正確さはもちろんのこと、恒星や星雲、星団のサイズや微細なラインなどを表現するため、14回の印刷を行っているとのこと。「印刷であっても職人技が生きている」と菅原氏。

菅原「天文時計を腕にする喜びは、自分の手にしている星空と同じ星空が頭上にあり、そこから宇宙とのつながりを感じることができる点にあります。このモデルでは、自分で月齢を合わせるのですが、それがなかなかに難しい(笑) そのハードルが男心をくすぐるし、うまくいったときの満足感は格別です。星は夜空のものですが、月や星は昼間も空にあります。そんな昼の宇宙に思いを馳せることができるのも、このモデルの醍醐味ではないでしょうか」

ドーム状のガラスの中に閉じ込められた無数の宇宙>>

理性を超え、本能を刺激する唯一無二の「カンパノラ」

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菅原「今回、新たに登場したカンパノラのコンセプトである『無光の空間』を、さらに際立たせているのが黒の美しさでしょう。ケースには、シチズン独自の表面硬化技術である『デュラテクトDLC』が施されていますが、これによって、艶と深みのある漆黒が表現できています。ケースを黒にすることで、若々しさもありますし、宇宙感がより強調されて、より空に近しいモデルになっていますね」

デュラテクトとはステンレスやチタニウムの金属表面の硬度を高めて、耐摩耗性を向上させる技術のこと。DLCとはDiamond Like Carbonの頭文字をとったもので、ダイヤモンドのように硬いカーボンの硬質膜をコーティングしています。これによりキズがつきにくく、長く漆黒を楽しめることができるのです。

菅原「『ミニッツリピーター』も『コスモサイン』もクオーツムーブメントで作り上げているところがカンパノラのこだわりであり、独創性です。これまでの時計の歴史で時計師たちが時間をかけて作り上げてきた機械式の機構をクオーツで表現すること、それもまた高い技術力と情熱がなければできることではありません。クオーツでこれらの機構を完成させたことで、われわれはこの時計を実際に手にすることができ、また、時計の歴史を身近に感じられるのです」

シチズンが持つ技術を生かし、独創的な複雑時計を提案し続けているカンパノラ。これまで一貫しているのは、どこにもない唯一無二の時計を作り出しているということ。そしてその中心にあるのは宇宙です。

菅原「時や時間が誕生したのは、星の運行をつぶさに観察したからこそ。宇宙には時の原点があります。カンパノラが魅力的なのは、こうした原点を内包しているからなんでしょうね。日本にもこれほどの名品がある……そう自慢できるMade In Japanの傑作だと思います」

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ミニッツリピーター(AH7064-01E)※限定200個
●小売価格:40万円+税
●素材:ステンレス(デュラテクトDLC)/ワニ革バンド
●ガラス:デュアル球面サファイアガラス
●主な機能:ミニッツリピーター機能、パーペチュアルカレンダー機能、アラーム1.2機能、ローカルタイム機能、ローカルタイムアラーム機能、24時間表示機能

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コスモサイン(AO4014-09E)※限定350個
●小売価格:32万円+税
●素材:ステンレス(デュラテクトDLC)/ワニ革バンド
●ガラス:デュアル球面サファイアガラス
●主な機能:星座位置早見機能、北緯35度全天星座表示、実視等級4.8以上の明るさの恒星1027個表示、星雲星団166個表示、月盤による月齢の読取り、日の出日の入り時刻の読取り、月位置表示


さて、カンパノラは「シチズン オーナーズクラブ」の対象ブランドとなっています。長野県飯田市にある南信州高級時計工房に隣接するオーナー専用の「サポートデスク」と「ウェブサイト」を用意し、時計を最適な状態で保てるようサポート。また、オーナーズクラブ会員限定のファクトリーツアーなど、各種イベントも実施されます。「時計がつくられているところを見ると、より一層愛着がわきますね」と菅原氏。カンパノラオーナーになったら、オーナーズクラブ登録もあわせて検討してみてはどうでしょうか。

●専用サイトより登録できます。詳しくはこちら

<問い合わせ先>
シチズンお客様時計相談室 0120-78-4807
受付時間:9:30~17:30(祝日を除く月~金)
http://campanola.jp/