やっぱり新築一戸建て? “ゆとり世代”が考える理想の住まい
何かと話題の“ゆとり世代”。その世代に当てはまる20代後半は、結婚や出産といったライフイベントを控えて、持ち家を考え始める年代でもあります。住宅メーカー8社が合同で運営するサイト『イエノミカタ』が、ゆとり世代とその親世代に向けて実施した「ゆとり世代の住宅観に関する調査」では、若い世代にも根強い”新築一戸建て志向“があるなど、興味深い結果が得られました。All Aboutガイドのコメントと共にご紹介します。
提供:イエノミカタ
ゆとり世代の家づくりのきっかけは「自分好みの空間が欲しい」と「結婚」がほぼ同率に
今後、住宅購入を検討しているゆとり世代(25~29歳)と、10年以上前に住宅を購入したその親世代(55~59歳)に【家づくりのきっかけ】を尋ねてみました。
親世代は「新築一戸建てへの憧れ」が31.1%と断トツで、2位以下と10%近い差があった一方で、ゆとり世代では「自分好みの空間が欲しい」(38.8%)、「結婚」(38.5%)、「将来的な資産」(36.2%)、「新築一戸建てへの憧れ」(35.9%)と、上位項目にあまり大きな差がなく、親世代に比べてさまざまな要因に影響されていることがわかりました。
また、【家づくりをする上での重視ポイント】も、親世代に比べて重視するポイントが多岐に渡っており、さまざまなスペック・要素を比較検討の軸としている様子が伺えます。特に、「内装・インテリア」、「防犯・セキュリティ」、「省エネ」については、親世代の倍以上も重視しているのが特徴的です。
ゆとり世代も「新築一戸建て」を希望する層が多数。インテリアへのこだわり強し
希望する住居形態は、ゆとり世代でも7割近くが「新築一戸建て」という結果に。新築一戸建てへの憧れは若い世代でもまだまだ根強いようです。中古住宅のリノベーションがブームとなっている昨今ですが、中古戸建て・中古マンションを希望する層は3割に満たず、新築一戸建ての人気の高さがうかがえます。
また、親世代に比べてインテリアへのこだわりが強いのが、ゆとり世代の特徴。インテリアに「とてもこだわっている」と答えた層は約4人に1人(23.6%)で、親世代(11.9%)の倍近くでした。「まあまあこだわっている」を含めると、9割近くのゆとり世代がインテリアに対して関心があると回答しています。
さらに、インテリアに「とてもこだわっている、まあまあこだわっている」と回答したゆとり世代に、具体的なアイテムを尋ねたところ、1位「照明器具」、2位「ソファ」、3位「ダイニングテーブル」という結果が。照明器具や家具に自身のこだわりを反映したいと考える層が多いことがわかりました。
新築一戸建ての夢は世代を超える? 住宅の基本性能への要望は高まる傾向に
今回の調査結果を、All About「ハウスメーカー選び」ガイドの田中直輝さん、All About「シンプルライフ」ガイドの金子由紀子さん、All About「住まいの安全」ガイドの井上恵子さんは、それぞれ以下のように分析しています。
田中直輝(All About「ハウスメーカー選び」ガイド)
ゆとり世代においても「新築一戸建て」を希望する層がトップですが、これは最も「自分好み」にしやすいからでしょうし、新しい住まいで気分を一新して生活できることが魅力だからだと思われます。住宅取得は人生において最も大きな「夢」を実現することで、それは世代を超えた価値ではないでしょうか。家づくりをする上での重視ポイントでは、「間取り」以外でゆとり世代が親世代を上回り、様々な要素について検討を行おうとしている傾向が見られることは、ゆとり世代の堅実性の高さがうかがえる結果だといえそうです。(田中)
金子由紀子(All About「シンプルライフ」ガイド)
バブル崩壊の前後に生まれ、幼少時から大型倒産やデフレ関連のニュースを見聞きして育ったゆとり世代は、「好況だった日本」を知りません。縮小する経済を肌で感じてきたため、ムダや見栄を嫌い、堅実で合理的な消費志向を持っています。彼らは、「家族との時間」「家で過ごす自分の時間」を大切にしており、「他人に見せつけるためのステイタス感」よりも、「自分だけのこだわり」「自分を解放できる居心地のよさ」を求めます。特に、インテリアに対する知識と欲求は親世代の比ではなく、デジタルネイティブでもあるため、自分らしい暮らしの構築のためにはとことん情報を集める技量も持ち合わせています。(金子)
井上恵子(All About「住まいの安全」ガイド)
ゆとり世代は、大きな地震を数回経験したことの影響もあり、「耐震性」、「耐久性」、「防犯・セキュリティ」、「省エネ性」など、住宅の基本性能に関わる部分を多岐にわたり重視している傾向が見られます。その背景には、「住宅性能表示制度」や「長期優良住宅制度」などの法整備が進んだこともあるでしょう。住宅の性能・品質に関わる部分は専門的でわかりにくく、2000年代になってこれらの制度ができる以前に家を建てた親世代にとっては、こだわりたくても業者に任せざるを得ないという状況だったのかもしれません。これらの制度をいち早く取り入れたのがハウスメーカーで、制度で定める基準を自社の標準仕様にしたり、独自の耐震技術や高い省エネ性を特色としているところもあります。高品質の家を多く建てている住宅会社を利用することは、安心材料のひとつになるでしょう。(井上)
ゆとり世代の多くは、自分のこだわりを反映しつつ、しっかりとした基本性能をもつ新築一戸建てを希望していると見てよいでしょう。このようなニーズに応えられるのは、住宅の性能や品質が確保され、細かなニーズにもきちんと対応できる住宅会社です。経験豊富な家づくりのプロを数多く擁する、総合力を持ったハウスメーカーに家づくりを相談することが、理想の家を実現する近道と言えるかもしれません。
調査概要
- 調査日程:2016年8月26日(水)~9月8日(木)
- 調査対象:(ⅰ)将来的に住宅購入を検討している全国の25~29歳 (ⅱ)10年以上前に住宅購入をした全国の55~59歳
- 有効回答者数:(ⅰ)309名(ⅱ)1,000名
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 性別:(ⅰ)男性156名、女性153名(ⅱ)男性1,000名
- 未既婚:(ⅰ)未婚100%(ⅱ)既婚100%
「イエノミカタ」について URL:http://ienomikata.com/
住宅メーカー8社(旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)、住友林業、積水化学工業(セキスイハイム)、大和ハウス工業、パナホーム、ミサワホーム、三井ホーム、ヤマダ・エスバイエルホーム(S×L))が共同で、住宅建築を通したよりよい暮らしのありかたを提案することを目的としたプロジェクトです。