チョコレートの楽しみ方が広がる“Bean to Bar”ってなに?
素材と製法によって、チョコレートの味わいは変わるもの。中でも近年、見かけるようになった“Bean to Bar”は、カカオ豆や作り手による違いを存分に楽しめます。そんな“Bean to Bar”について、All About『チョコレート』ガイドの市川さんに聞いてみました。読めばきっと、チョコレートの楽しみ方が広がりますよ!
提供:株式会社 明治
お話をうかがった方
ショコラコーディネーター。1990年半ば、フランスのおいしいボンボンショコラとの出会いがきっかけで、国内外の「おいしいショコラのある生活」がライフスタイルに。現在は各種メディアにて、チョコレート関連情報を発信している。
カカオ豆の個性を楽しむことができる“Bean to Bar”
ラグビーボールのようなこちらは、“カカオポッド”と呼ばれる実。このポッドの中に、白い果実とカカオ豆となる種子が入っています。
最近、チョコレートの話題でよく耳にする“Bean to Bar”。これは一体、どのようなものなのでしょうか?
市川さん(以下敬称略)「“Bean to Bar”は、カカオ豆の選別、焙煎の段階からチョコレートになるまでの全行程を、ひとつの作り手が手がける製法。2000年初頭にアメリカで生まれ、日本でも2011年ごろから“Bean to Bar”のチョコレートが見られるようになりました」
そう語る市川さんによると、「ここ2年ほどで、日本での認知度はかなり高まった」のだとか。
市川「もともと小規模な作り手が多かったのですが、今年は大手メーカーからもおいしい“Bean to Bar”チョコレートが登場しています。チョコレート業界の新潮流だったものが、今では定着しつつあると言えるでしょう」
そんな“Bean to Bar”の特徴は、カカオ豆の個性を活かしていること。カカオ豆は品種や産地によって風味が異なるため、それをいかに引き出すかもチョコレートの味わいを左右する要素のひとつなのだそう。聞けば、「日本ではミルクチョコレート系が人気ですが、“Bean to Bar”チョコレートはカカオを70%以上使用した“ハイカカオ”が多く、味の違いをより感じることができます」とのこと。
市川「一時期、カカオの割合が高いダークチョコレートがブームになりましたが、どちらかと言うとカカオポリフェノールなどによる健康効果に注目が集まっていました。でも、“Bean to Bar”チョコレートのような、カカオ豆の個性を引き出したダークチョコレートは嗜好品。コーヒーやワイン、ウイスキーのようにたしなむ人が増えているので、皆さんにもぜひ楽しんでいただきたいですね」
市川「近年は、ハイカカオなミルクチョコレート“ビターミルク”“ダークミルク”なども登場し、バラエティに富んでいる“Bean to Bar”チョコレート。パッケージもオシャレなものが多く、思わずジャケ買いしたくなりますよ」
生産者と手を組み、豆からおいしさを追求する“メイジ・カカオ・サポート”
“Bean to Bar”チョコレートの味わいを大きく左右するという、カカオ豆。チョコレートの主原料として欠かせないものですが、実は近い将来、供給量が不足する可能性があると言われています。そんな現状の中、注目を集めるのが“メイジ・カカオ・サポート(MCS)”。株式会社明治によるカカオ農家支援活動で、収穫量を増やすための栽培方法を学べる勉強会の開催や、井戸の整備、学校備品の寄贈、独自の発酵法による高品質カカオへの取り組みなど、さまざまな活動が行われています。
市川「私たちは幸せな気持ちでチョコレートを食べていますが、その原料をつくる人たちが困難な状況にあるのはやりきれないもの。“MCS”では、カカオの生産者の方々のケアも行うということですから安心できます。そうやって、チョコレートに関わるすべての人に幸せになってもらえるのですね」
そして今回、ご紹介したいのが“MCS”の原点。カカオ豆に対するこだわりと、「高品質なカカオ豆を手に入れるためには、良い木を育てることから始めなくては」という思いです。
“MCS”の活動が本格的に始まったのは、2006年ごろのこと。当時はカカオ農家へ直接足を運び、現地に1か月ほど滞在してカカオの実の育成から発酵、乾燥に至るまで、データを細かく取りながら最適な方法を研究し続けたそうです。たとえば発酵工程なら、空気に触れさせるために混ぜる頻度や、保温に適しているのはバナナの葉か麻袋か、など、あらゆる方法を試していったのだとか。
こうして見出した最適な工程を農家に実践してもらい、できあがった高品質なカカオ豆を適正な価格で買い取る。そうしていくことで、カカオ農家との信頼関係を築き、固い絆で結ばれるようになったと言います。これが実現したのも、効率を第一とせず、カカオ豆やカカオ農家と真摯に向き合う姿勢があったからこそでしょう。
“MCS”では、井戸やカカオの苗床を寄贈するといった支援のほか、小学生に美術の特別授業を行うなど、現地の人々との交流も行われています。
世界に認められた“Bean to Bar”が、毎日気軽に楽しめる!
“メイジ・カカオ・サポート(MCS)”の取り組みから生まれた、プレミアムなカカオ豆だけを使っているのが『明治 ザ・チョコレート』。カカオ豆の個性を際立たせた、明治の“Bean to Bar”チョコレートです。現在のラインナップは全4種類。スタイリッシュなパッケージの中には、手のひらに収まるサイズのタブレットが3枚、個包装で入っています。
市川「クラフトチョコレートらしいパッケージは主張しすぎず、部屋の中にうまく溶け込んでくれそう。チョコレートを楽しむときって、パッケージから始まると思うんです。魅力的に感じて手に取り、持ち帰って家で開ける……。そんなプロセスも、この『明治 ザ・チョコレート』なら楽しめると思います」
また、タブレットの形状もユニーク。小ブロックゾーン、ギザギザゾーン、スティックゾーンなどに分けられ、さまざまな形に割れるので、1枚でいろいろな味わい方が楽しめます。それでは市川さん、それぞれを試食しての感想は?
市川「ハイカカオをあまり食べたことがないなら、まずは赤いパッケージのダークミルク、『ベルベットミルク』がおすすめです。今まで慣れ親しんだチョコレートらしい味わいで、酸味も苦味も強すぎません。その後は、同じベネズエラ産のカカオ豆を使った、青いパッケージの『コンフォートビター』か、ダークミルクつながりで、紫のパッケージの『サニーミルク』を。産地か系統、どちらかを合わせると違いがわかりやすくなりますよ」
そう語る市川さんによると、「『コンフォートビター』は力強いカカオ感があり、『サニーミルク』はフルーティーなカカオの味わいとミルクという難しい取り合わせにも関わらず、バランスよくまとまっている」と感じるそう。さらに、オレンジのパッケージの『エレガントビター』は「この酸味は、リフレッシュしたいときにピッタリ」なのだとか。
市川「さらに驚いたのは、220円という価格! そんな“Bean to Bar”、なかなかないと思います。スーパーやコンビニエンスストアで、日常的に手に入るのもポイント。チョコレート専門店はまだどこかハードルが高いと感じる人も、この『明治 ザ・チョコレート』なら気軽に楽しむことができますね」
発売前にエントリーした国際的なコンクール、『iTQi 2016』と『インターナショナル・チョコレート・アワーズ』でも、見事受賞を果たしたという『明治 ザ・チョコレート』。そのおいしさは、世界屈指の審査員たちにも認められています。
市川「たとえばギザギザゾーンは口溶けが早いので、風味が際立つ印象です。このくらい小さいサイズで、いろいろなゾーンに分かれているチョコレートは初めて。手軽に食べ比べができるので、ぜひ試して欲しいですね」
市川「香料を使っていないので、香りがいいですね。この『コンフォートビター』は、心地よい苦味の余韻が感じられます。渋みもあるので、ボルドーの赤ワインと相性がいいかも?」
カカオ本来のおいしさを味わえる『明治 ザ・チョコレート』
明治の“Bean to Bar”、『明治 ザ・チョコレート』は全4種類。カカオ分70%のダークチョコレートは『コンフォートビター』と『エレガントビター』が、カカオ分51%の『サニーミルク』とカカオ分46%の『ベルベットミルク』が用意されています。さらに今後も、新作が続々登場する予定とか。
市川「ハイカカオは苦手、おいしくないというイメージをもつ人もいますが、この『明治 ザ・チョコレート』なら大丈夫。全種類を食べ比べられるくらいの価格帯で、手軽に買えるのもうれしいところです。こうした“Bean to Bar”が入り口になって、チョコレートの世界はさらに広がると思います」
誰もが手に取りやすく、カカオ豆の個性を楽しめる『明治 ザ・チョコレート』。この新たな“Bean to Bar”で、新たなチョコレート体験を味わってみませんか?
『明治 ザ・チョコレート』 想定小売売価 各220円 左から、ベネズエラ産カカオ中心の『コンフォートビター』、ブラジル・トメアスー地方産カカオ中心の『エレガントビター』と『サニーミルク』、ベネズエラ産カカオ中心の『ベルベットミルク』。