.私たちも自衛策を取ろう!

銀行はやっと補償に応ずると言いだしましたが、それだけでカード偽造がなくなるわけではありません。スキミング=偽造カード被害にあわないためにも自衛策を取る必要があります。

幸い銀行は様々なサービス(自衛策)を提案し始めています。それをよく勉強し、万全と思える銀行を選び、自分のキャッシュカードは、自分で守る決意をしましょう。

最高200万円までの引き出し限度額制限

銀行が用意している自衛策は、引き出し限度額制限から利用者による限度額設定、本人確認方法、ICカードの切り替えまでいくつかあります。

まず、引き出し限度額制限ですが、偽造カード被害にあったときに一日で預金全額を引き出されるケースが相次ぎました。この教訓を受けて金融機関では、一日の引き出し限度額を制限する動きを顕著にしています。そして、これまで最大500万円だった引き出し限度額を200万円まで下げるところが増えました。トマト銀行やりそな銀行がその例ですが、全国的にみると、メガバンクと東日本の地銀の多くはすでに制限していますが、西日本の銀行はこれから本格化する段階です。

引き出し限度額とATM利用指定時間の設定

利用者が自ら一日の引き出し限度額を設定できる銀行もあります。ゼロ円から1万円単位で設定できるのが三井住友銀行で、最高300万円まで可能です。メガバンクでこのサービスを行っているのは、三井住友銀行だけですが、地銀では半数近くがすでに導入済みです。

ATM利用指定時間を設定できるサービスもあります。これは泉州銀行などが行っているものですが、実際にはインターネット銀行で始まったサービスで、携帯電話で時間を設定しATMの利用ができるようになっていました。それをリアルの銀行でも採用しようというものです。さらに一カ月の引き出し限度額を利用者が設定するというサービスもあり、多摩信用金庫などが行っています。

氷川きよしで対抗する巣鴨信用金庫の挑戦

この他にユニークなのが巣鴨信用金庫でしょう。この信用金庫では、預金引き出しができるのは、口座を開設した店舗だけで、しかも、キャッシュカードは発行されません。預金を引き出したい場合には、運転免許証と「合い言葉」が必要になります。「合い言葉」は演歌歌手の氷川きよしなど馴染み深い名前にするとよいといいます。とげ抜き地蔵で有名な老人の街・巣鴨ならではのローテクなスキミング対策といえます。

集中して引き出しがあった場合に警告も

また、不審な取り引きを警告するシステムを取り入れている銀行もあります。クレジットカードの場合、偽造カードを集中的に使う店を発見するために同様のシステムが使われていましたが、銀行でも導入されることになるわけです。同一口座から何件も集中して引き出された場合、その異常を本人にメールで知らせてくれます。

手のひら静脈認証と指静脈認証の相剋

本人確認方法の改善も大きな取り組みです。これには手のひら静脈認証と指静脈認証の二つがあります。手のひら静脈認証は東京三菱銀行などが採用、指静脈認証は三井住友、みずほ銀行などが採用する予定です。
互いに互換性がないので、不便になるとの声もありますが、郵貯では両方の方式に対応したカードを発行するといった観測も流れています。

さらに暗証番号を二重化する銀行も表れてきました。関西アーバン銀行などが予定していますが、4桁の数字の暗証番号と4桁のアルファベットの二重の暗証でセキュリティを守ろうというものです。ただ、暗証番号をたくさんもっていると、忘れることも多く、こちらの方が心配です。

切り札となるか、ICキャッシュカードへの切り替え

この他、ICカードへの切り替えを促す金融機関も増えてきました。ICキャッシュカードは、メガバンクはすべて導入済みですが、地銀はまだ少ないのが現状です。地銀が遅れているのは対応ATMの問題があるからです。地銀の場合は、利用者の多くがコンビニのATMを利用していますが、コンビニはまだICカード対応になっていません。そのために遅れが目立つのです。

手数料無料の銀行が続出。自分にあったカードを選びましょう

しかも、ICキャッシュカード切り替えも無料とはいきません。手数料は1050円から2100円もかかります。それでは高すぎるというので、各行はキャンペーン期間や様々な条件を設けて無料にしています。

みずほ銀行の場合は1050円の手数料を9月30日までは無料にしてくれます。三井住友銀行も手数料1050円かかりますが、ワンズプラス口座対象者は無料、東京三菱銀行はICキャッシュカードであれば2100円の手数料がかかりますが、クレジット機能付きのスーパーICカードなら年会費無料で持つことができます。UFJ銀行はオールワン口座対象者に3月から6月末までICキャッシュカードを無料で発行してくれます(通常手数料2100円)。

こうした新しいサービス(自衛策)がたくさん登場してきています。銀行を利用する際にはそこがどんなサービスを提供しているのかを十分に勉強し、自分にあった金融機関を選ぶようにしましょう。

<各金融機関の不正対策(本人確認方法の改善)>
対策金融機関対応時期
生態認証
(手のひら静脈認証)
東京三菱銀行、スルガ銀行04年秋
池田銀行、広島銀行2005年4月
瀬戸信金、長野県信組、信金共同事務センター 2005年9月
生態認証
(指静脈認証)
三井住友銀行05年度中
みずほ銀、京都銀行2005年11月
十六銀行05年秋
日本郵政公社2006年10月
暗証番号の二重化
(4桁の暗証番号+アルファベット4文字)
関西アーバン銀行、三重銀行2005年7月
東和銀行05年秋


<関連サイト>
三井住友銀行ICキャッシュカード
みずほ銀行ICキャッシュカード
東京三菱銀行ICキャッシュカード
UFJ銀行オールワンICキャッシュカード
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