銀行同士の合併に伴う店舗の統廃合も一段落…。リテール向けサービス強化の一環として、各行は拠点の増加を加速させています。各行の次なる戦略は、既存店の改良・新型店舗の出店。従来店とはここが違います。
信託・証券の機能も兼ね備えた複合型の店舗や住宅ローン・資産運用のコンサルティングに特化した小型店舗など、特徴を持った新型店舗が次々に登場。各行の戦略の相違が店舗にも現れています。非常に横並び意識の強かった銀行業界ですが、ここまで差別化戦略をとる時代になってきたんですね…。
●みずほ銀行
みずほ銀行は、系列の証券会社との共同店舗の出店に積極的です。1つの店舗で様々な金融商品を購入することができるワンストップショッピング化を加速し、グループ全体としての個人向けサービスの充実を図り、個人客を囲い込む戦略。銀行本体での株式仲介業務も解禁されましたが、みずほグループの基本方針は共同店舗の充実の模様。また、個人特化型店舗や相談窓口も順次増設予定とのことです。
●東京三菱銀行
東京三菱銀行は、三菱証券との共同店舗や、銀行(東京三菱)・証券(三菱)・信託銀行(三菱信託)の3業態を融合した複合店舗「MTFGプラザ」を順次拡大中です。「MTFGプラザ」は、預金、投資信託、住宅ローン、証券、外貨、不動産、遺言・相続等、1度に3業態の金融商品の取引が可能なワンストップショッピングの拠点として顧客の利便性を追求。また、共同店舗・複合店舗以外の住宅ローンを中心とした「ローンプラザ」やコンサルティング業務に特化した店舗の設置にも積極的。
●UFJ銀行
三菱東京グループと統合予定のUFJ銀行ですが、ATMの相互開放等、三菱東京グループとのサービスの相互提供を既に開始しています。リテール戦略としては、通常店舗より営業時間が長い「UFJプラス」を増設中。 東京三菱銀行が複合店舗を拡大する一方で、UFJ銀行は、機能を絞り、行員の代わりにACM(「自動応対サービス機」)で対応する軽量型のミニ店舗の出店に積極的な模様。また、銀行窓口での待ち時間短縮にも早くから積極的に取り組んでいます。