韓国の夏のスタミナ料理を代表する参鶏湯(サムゲタン)
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参鶏湯の材料。鶏肉をはじめ、高麗人参や、ナツメ、栗など ©韓国観光公社 |
日本では毎年7月の土用の丑の日に、うなぎを食べる習慣がありますが、韓国でも同じような風習があります。夏場の暑さが最も厳しいとされる時期を「中伏(チュンボッ)」と呼び、参鶏湯(サンゲタン)という料理を食べるのです。この参鶏湯は、鶏の中にもち米や、高麗人参、ナツメやニンニク、栗などを詰めて煮込んだスープ料理。夏バテの防止やスタミナをつけるために韓国の人に親しまれ、食べられている参鶏湯は、韓国料理を代表する料理の一つとして観光客にも知られています。
日本の韓国料理店などでは高価(相場は1人前3,000円)なため、なかなか手が出ない参鶏湯。まだ食べたことのない方、韓国に旅行に行ったらぜひ食べたいと思っている方のために、今回は参鶏湯の美味しさと、栄養などその魅力に迫りたいと思います!
参鶏湯にかくされた栄養価
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漢方料理としても有名な参鶏湯 ©韓国観光公社 |
鶏を丸ごと1羽用いて、その中に様々な材料を詰め、時間をかけて煮込む参鶏湯には、使用する材料に優れた栄養があると言われています。
鶏肉……牛肉、豚肉、鶏肉の中では、最もコレステロール値が低いとされ、肌にツヤや潤いを与えるというコラーゲンも豊富。脳を活性化させるアミノ酸が含まれるなど栄養満点です。
高麗人参……もともと韓国では古くから、漢方薬の原料としても幅広く使われてきました。高麗人参には、高血圧や生活習慣病、ストレスなど現代病の予防にも使われるとか。参鶏湯では、高麗人参のほろ苦い味が鶏肉の味をいっそう引き立てています。
ナツメ……韓国ではお茶としても飲まれています。「ナツメを一日3つ食べると年を取らない」ということわざがある程、老化や体力の低下を防止すると言われ、胃腸の調子を整える効果も。
ニンニク……臭いが強いことで敬遠されがちなニンニクですが、実は栄養満点なんです。強壮をはじめ、血液の流れを潤滑にする働きを持ち、韓国料理には欠かせない材料の一つです。
栗…栗にはニンニク同様、強壮の働きがあります。
これだけの栄養価が高い材料を一度に、食べられる参鶏湯。「漢方の王道」、「食べる漢方薬」などとも呼ばれるのも納得できます。また、多くの参鶏湯専門店では、一緒に高麗人参酒が出されるところも多く、こちらも夏バテ防止の効果もあるそうです。参鶏湯は通常、石焼鍋のアツアツの状態で出されるので、食べているうちに汗だくになることも! 新陳代謝の効果も高めてくれます。ゆっくり時間をかけて召し上がれ!
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色が黒い烏骨鶏湯。栄養価も参鶏湯よりさらに高いのが特徴 ©韓国観光公社 |
参鶏湯は一般的に、鶏肉が白いですが、こちらで紹介する烏骨鶏湯(オゴルケタン)は色が黒いことが特徴。「色が黒い」などと言われると、ちょっとビックリしてしまいそうですが、烏骨鶏(ウコッケイ)を用いた烏骨鶏湯は、参鶏湯よりワンランク値段が高く、まだまだレアな存在と言えるでしょう。参鶏湯が通常、日本円で1,000円前後であるのに対し、烏骨鶏湯は2,000円前後。使われる材料は参鶏湯とほぼ同じですが、烏骨鶏の黒い色が体力温存の効果を高め、血液の循環による新陳代謝の活性化を促すなど、栄養価は参鶏湯の倍とも言われます。古くは、宮中での料理として作られていたという烏骨鶏湯。レアな料理を食べてみたい方、チャレンジしてみては?
韓国のスタミナ料理を代表する参鶏湯。いかがでしたか? 食べたくなりましたか? ガイドは、初めてのソウル旅行で食べて以来、すっかり参鶏湯のとりこになりました。夏の訪れを感じさせる今頃の時期になると参鶏湯を食べたくなることもしばしば。参鶏湯と出される薬味の刻みネギや塩を自分の好みで味付けしながら食べられます。鶏がらのスープの味が何とも美味しく思わず最後まで飲み干してしまう程。みなさんも、韓国旅行の際には、お試しの価値ありです! 食べて、体の中から健康になりませんか?
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