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ネットオークションで騙す。【書評】(3ページ目)

最初は探した絵画を売っていただけなのに、気がついたらサインを偽造した絵を売る詐欺師に。なぜ?どうして?法を守るべき弁護士が、世紀を揺るがす詐欺師になってしまったのか。

執筆者:堀切 美加

問題はこの4点

  • サクラ入札
  • 本物ではない絵画をあたかも本物だと思わせるような販売方法
  • 嘘の出品情報
  • サインの偽造

最初に起訴をされるときには、ケン自身のサインの偽造は発覚していなかったので、上記3点で詐欺行為の罪で起訴される予定でした。その後、司法取引や、サインの偽造を告白したために、最終的には重罪犯人として有罪となりました。
 

後半はネット企業買収の裏事情のようなものが楽しめます

企業買収 アメリカの事情
なかなか刑が確定しない間に

フェッターマンが逃げ回っていたために、ケン自身の判決も延期になり、なかなか刑が確定しません。その間、生計を立てるためにケンは弁護士以外の仕事をしようとしますが、オークション詐欺のために就職もままなりません。

そして刑が確定する前のケンは、弁護士ハロルドの忠告も聞かず、eBayにかかわるプログラムを作り販売を続けます。これが当たって、やっと生計を立てることや、賠償金を貯めることができたのですが、eBayからの横やりが入り、結局それを手放すことになります。

このあたりは、企業やプログラム買収などの話になり、ビジネス的にちょっと楽しめるところでもあり、ケンに同情すらしてしまう章です。
 

まとめ

結果的に詐欺師となり、重罪犯人になってしまったケン(作者=ケネス・ウォルトン)の人生顛末記だと思って読んでみてください。「儲かる!ネットオークション!」でもないですし、ネットオークション犯罪を集めた本ではありませんが、色んな要素が入っている本で、eBayの歴史や、絵画詐欺の歴史も学べるので、ネットオークション全体に興味がある人にはおすすめです。

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