家電ドットコム 詐欺事件
詐欺の概要 |
思い起こせば、2004年12月。今回の事件と同様、クリスマスを前後して起きた大規模詐欺「DVDgekiyasu」事件。今回の事件も、2004年の事件と同じ年末。手口も同様です。
オークション詐欺の手口
最初は普通の出品者です。高額デジタルカメラ、プラズマテレビ、ノートパソコン、デジタルビデオカメラなどの人気商品を、安い開始価格で大量に出品しています。人気の商品なので、それなりに複数のユーザーから入札が繰り返され、適正価格近くまで競り上がります。出品したものが落札され、落札者から代金が振り込まれると、出品者は滞りなく商品を送ります。特に問題もなく、相場よりも安く手に入れることができた落札者は、当然のことながら出品者に「非常に良い」の評価をします。そして「非常に良い」評価があっという間に増えていきます。
そして、ある程度「非常に良い」評価がたまってきたころに、突然、商品を送ることをやめてしまいます。オークションでは代金は前払いが慣例。出品者が豹変して、商品を送ることをやめてしまったことなど、落札者は知るよしもなく、代金を振り込み、商品が届くのを待っています。そして商品は届きません。
これが今回もおこなわれた詐欺の手口です。
今回、入金されたにもかかわらず、商品を送らず、連絡が取れなくなってしまったのは家電ドットコム。Yahoo! IDは「kaden_com2006」 家電ドットコムの出品が始まったのは、現在評価から確認できる分で12月1日。1日に出品して3日で終了しています。もちろん配送もちゃんとしていますから「非常に良い」評価がつきました。
詐欺の気配はあったのか?
騙されるほうが悪いのではなく、騙すほうが悪いには決まっていますが、やっぱりできることなら騙されたくない。家電ドットコムに怪しい気配はあったのでしょうか。あるとすればこの3つでしょう。●配送に時間がかかる
その後の落札は配送に時間がかかっていました。商品説明文には「発送は原則として入金確認後、3営業日以内の発送になります。」となっていますが、実際の配送は数日から1週間くらいだったようです。もともと商品の準備はなく、この間に発送する商品を用意したのでしょうか。だとすると最初から予定していた、チャリンカー詐欺といえるでしょう。
ただし、詐欺でない場合でも中3日のショップはあります。3-5日程度でしたら、必ずしも怪しいとは言えないでしょう。
●連絡がとりづらい
できるだけ手間を省こうとしたのか、証拠を少しでも少なくしようとしたのか、メールでの連絡も最小限。落札後の連絡もフォームからということで、入金確認のメールもなければ、商品発送や配送予定のメールも送られてこないことも。実はその間にも、出品されている商品に入札をし、落札をし、振り込んでいる人がいるのです。すでに詐欺が発覚しつつあったのに。
ストアの場合、フォームが使えるので、落札者からの最初の連絡はフォームを使うことも少なくありません。最初のうちは、メールなどの質問や、質問掲示板にも回答していたので、心配するほど連絡が取りづらかったと言うことではなかったようです。
●1円スタート複数出品画像なし
1円スタートで、2個ずつ出品されていましたが、これは詐欺の手口としてよく使われます。もちろん詐欺以外でもショップからの出品などでは使われるので、必ずしも詐欺とは言えませんが、早く手間をかけずに「良い」評価を稼ぐためや、たくさんの落札をしてもらうためには、複数出品で一気に数を稼ぐことをします。そしていよいよ詐欺発覚へ……