JRの駅のうち日本最南端に位置するのは、鹿児島県の指宿枕崎線・西大山駅。「最南端」という言葉を聞いただけで、「さい果て」への旅情がわいてきませんか?
最南端であって最南端ではない?
JRの東西南北端駅を示す掲示。こちらはまだ「本土最南端」と書かれている(2006年4月撮影) |
先ほどから「JR」の日本最南端といちいち断っているのは、さらに南の沖縄県に沖縄都市モノレール(ゆいレール)が開業したからです。
それまでの長い間、日本最南端の駅と言えば、正真正銘、この西大山駅でした。しかし、正式な分類ではモノレールも鉄道に入るため、日本の鉄道最南端の駅は、沖縄都市モノレールの那覇空港駅ということになっています(日本最西端の駅でもあります)。
そのため、西大山駅は一時期「本土最南端」の駅と呼ぶことになりましたが、「沖縄は本土ではないのか」という批判を受けたため、最終的に「JR日本最南端」の駅とすることで落ち着いたようです。
これがJR日本最南端・西大山駅だ!
西大山駅といえば、開聞岳を背にしたこの定番ショット。その雄大さに思わず息をのむ(2006年4月撮影) |
西大山駅は山川駅からだと2駅目とすぐなのですが、意外に途中下車の難しい駅。
というのも、鹿児島中央~指宿間は約1時間に2本の列車が走っているものの、指宿~山川~枕崎間ではその本数が激減。西大山駅に停まる列車は、片道わずか8本のみなのです。
一日一往復半の直通列車を除き、山川駅か、一つ手前の指宿駅で乗り換える必要があります。砂むし温泉で知られる指宿の次の駅が山川。西大山駅が無人駅なため、この山川駅は「JR最南端の有人駅」ということになります。
山川駅を出た列車は、薩摩半島の先端を回り込むように走り、西大山駅へ。
立派に舗装された駅前には、観光バスもやって来る。本来なら鉄道で来て欲しいところだが(2006年4月撮影) |
ちょっと拍子抜けしてしまうのも事実ですが、晴れていれば、真正面に開聞岳(かいもんだけ)の雄大な姿が望め、そんなもの足りなさはすぐに忘れてしまうでしょう。
しばしこのホームに立ちつくし、さい果ての旅情を全身で味わいましょう。
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