のべ113日間の旅、総乗車距離は山手線784周分!
春編のゴール、越美北線九頭竜湖駅に立つ関口さん |
『列島縦断 鉄道12000km 最長片道切符の旅』
(2004年5月6日~6月23日放送)
『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破・春編~』
(2005年3月21日~4月30日放送)
『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破・秋編~』
(2005年9月26日~11月3日放送)
最長片道切符とは「JRの路線だけを使い、同じ駅を2度通らずに(一筆書きで)最も長い距離を行く」というルールに則って作成された切符。「最長片道切符の旅」は、この切符に従い北海道の稚内駅から佐賀県の肥前山口駅までの11,914.5kmを、43日間かけて旅するという壮大なものでした(番組では本来最長片道切符のルートには入らない四国も一周しています)。
ただ、この旅では「同じ駅を2度通らない」というルールがあるため、どうしても乗ることができない路線があります。そこで、それらの全てにも乗車して、日本のJR全線を制覇してしまおうというのが「乗りつくしの旅」。鹿児島県の枕崎駅から福井県の九頭竜湖駅までの春編と、九頭竜湖駅から北海道の根室駅までの秋編に分けて放送されました。
旅人・関口知宏さん
「鉄道の旅」の魅力を見せてくれた関口知宏さん |
鉄道の旅を通して日本各地の美しい映像を毎日見ることができるということに加え、何よりもこの旅の楽しさは、旅人である関口知宏さんの魅力そのものにもありました。今となっては、もし他の方だったらこの旅は成立し得なかったであろうとさえ思えるほどです。
いわゆる「旅番組」には、大げさなリアクションや現実ではあり得ない出会いの場面などがよくあり、「そりゃテレビだからでしょ!」と興ざめすることもしばしばです。しかし関口さんの旅は「超」が付く自然体。列車の待ち時間に出会った近所の子どもたちと水かけっこをして駆け回るシーンなど、演出してできるものではありません。おいしいものは「おいしい」、好きなことは「好き」、そんなありのままの感想で綴る旅。素直に「鉄道の旅っていいなあ」と思わせてくれる心地よさは、このあたりからくるのでしょう。
絵日記や作曲が旅に添えた彩り
「列島縦断 鉄道12000kmの旅 絵日記でめぐる43日間」 |
どれも1ヶ月以上かかる長い旅です。単に鉄道に乗っているシーンばかりでは、おそらくどんなにうまく編集したところで、鉄道ファン以外には途中で飽きられてしまったに違いありません。しかし見る人は皆、その旅のスタイルに惹き付けられ、決して飽きることはありませんでした。
関口さんの豊かな感性と類まれな個性、そして多才さ、これらが日本各地の風景や鉄道の旅というイメージと融合して、一つの旅のスタイルの「見本」を我々に見せてくれたわけです。「僕はこんな旅をしました。皆さんの旅はどんなですか?」というメッセージでもあるような気がします。
旅の終わりは、新たな旅の始まり
「最長片道切符の旅」を終えた直後の言葉は、とても印象的でした。『この切符は確かに無効になるんだけど、実は見えないスタートのハンコが押されていて、これからの人生の生き方のヒントをたくさんあげましたよ、さあこれからの人生をスタートしなさい、ってハンコに見えるんです。だからこれはスタートの切符なんです、あくまでも。だから意外と寂しくないです。すごくこれからが楽しみになりました。この切符のおかげで』
終着駅が始発駅であるように、一つの旅の終わりは、次の新たな旅のスタートでもある。そんな当たり前のことを再確認させてくれた言葉でした。
さあ私たちも、関口さんのように「オリジナル」の素敵な旅をしようではありませんか!
■列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破~
NHKによる公式サイト。これまでのすべての旅日記が見られます。番組を見逃してしまった方、総集編の放送がありますので詳しくは上記サイトで!
■BSファン倶楽部
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■株式会社 三桂 公式サイト
関口知宏さんの所属事務所のサイトです。詳しいプロフィールが見られます。