丸みを帯びたデザインが魅力のmylo
2006年9月に米ソニーから北米向けに発売された携帯コミュニケーション端末「mylo(マイロ)」が、日本でも予約受付を開始したのをご存知だろうか。「Sony Style(ソニースタイル)」限定販売で、価格は3万9800円(送料別)。2007年2月5日以降、順次発送される予定だ。カラーはホワイトも用意しており、こちらの予約開始日は2007年2月1日。発送開始は2007年3月5日以降となっている。
ソニーが2006年12月に予約受付を開始した携帯コミュニケーション端末「mylo(マイロ)」 |
筆者のようなモバイルグッズ好きだけでなく、ついつい気になってしまうかわいいデザイン。丸みを帯びたそのスタイルは、2000年にNTTドコモが発売した通信・動画機能付きデジカメ「eggy(エッギィ)」をほうふつとさせる。価格の割にはおもちゃっぽい質感なところが残念だが、手のひらに収まる大きさも魅力的で、ポケットやかばんの中に忍ばせておきたい気になってしまう。
2.4型TFT液晶(320×240ドット)を搭載し、スライド式のQWERTYキーボードを備える。SkypeやGoogle TalkといったIPメッセンジャーソフトのほか、Webブラウザー、ミュージックプレーヤー、動画プレーヤー機能などを内蔵。IEEE802.11b準拠の無線LAN機能を利用してインターネットに接続が可能だ。
本体サイズは幅123×高さ23.9×奥行き63mm(最大突起部含まず)、重さは約150g(充電池含む)。大きさはソフトバンクのスマートフォン「X01HT」(幅58×高さ112.5×厚さ21.95mm、約170g)と同等で、重さは「ちょっと重めの携帯電話」といったところ。
小型ゲーム機のようにも見えるデザインのmylo | 液晶部分をスライドすると、QWERTY配列のキーボードが姿を現す |
通信機能が“無線LANオンリー”というのは微妙だが……
myloの最大の特徴かつ弱点とも言えるのが、通信機能が無線LANのみということ。ウィルコムの通信モジュール「W-SIM」(最大204kbps)やNTTドコモの「FOMA HIGH-SPEEDシリーズ」(最大3.6Mbps)などに比べて速い(最大11Mbps)のだが、会社や家庭にある無線LAN環境内か、「ホットスポット」などの無線LANスポットでしか利用できないというデメリットがある。
筆者の手と比較してみるとその小ささが分かるだろう |
「無線LAN搭載のIPフォン端末+α」という製品が米国発で登場したというのはわけがある。シリコンバレーなどにあるIT企業やデジタル・PC系メーカーは、会議室や従業員のデスク周りなどに無線LAN環境が配備されている場合が多い。打ち合わせやプレゼンテーション、通常の作業においても無線LANを利用できた方が作業効率がいいからだ。また、IPフォン利用者が企業にも一般消費者にも日本に比べて多いため、そうした環境からmyloのような製品が生まれてくるのは自然な流れなのだろう。
それに比べて日本では、まだIPフォン(IPメッセンジャー)を利用するという文化がそれほど根付いていない。誰もがメールアドレスのようにSkypeなどのIDを持つようになれば「世界中のどこでも誰とでも無料で通話できる」ようになるが、実際には「大人がコミュニケーション手段として便利に使える」というほどになっていないのが実情だ。
そこで前置きが長くなったが、今回はmyloのIPメッセンジャー“以外”の機能についてレビューしていきたいと思う。まあ正直に告白してしまうと、筆者はIPメッセンジャーの意味、楽しさ、メリットを今ひとつ理解し切れていないのだ。少し物足りないレビューになるかもしれないが、myloが“買い”なのかどうか、判断材料のひとつとしてもらえればありがたい。
>>NEXT myloの使い勝手をチェック!
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