会議や打ち合わせの後に、「あれ、誰が担当することになったんだっけ」……。せっかく思いついた企画のアイデアを「メモできなかったので忘れちゃった」──。重要な会議の議事録を作成する場合はもちろんだが、そうでない場合でも便利なのがICレコーダーだ。メモ帳やノートPCなどに要旨をしっかり書き込んでいたとしても、発言を聞き漏らしてしまったり、後で細かい文言を確認したい場合もあるだろう。「音のメモ」を取っておくことでポカミスを回避できたり、ビジネスチャンスをつかめる可能性もある。
筆者はライターを本業にしているため、取材対象者の発言を録音し、それを基に記事を執筆している。数字などは特に「聞き間違い」が許されない。また、取材対象者の発言の中で分からない単語や略語があっても、録音しておけば後で調べることができる。こうしたことからICレコーダーの役割はかなり重要だ。筆者の場合は「人から話を聞く」というのが仕事の中心となっているので当然なのだが、ほかの仕事でも「ICレコーダーがあればよかったのに」ということは多いのではないだろうか。そこで「常に携帯しておきたい情報機器」の一つとして、ICレコーダーを取り上げたいと思う。
選び方のポイントは“手軽さ”!
では、ICレコーダー選びのポイントとは何か。「音質がいい」とうたうメーカーや製品もあるが、基本的には「音質にこだわる必要はない」といっても過言ではない。多くの製品が採用している小型の内蔵マイクを使用する限り、音質にそれほどの差が生じることはないからだ。それよりもある程度のメモリー容量、そして手軽さが重要だと筆者は考えている。選び方のポイントは以下の通りだ。
・PC対応(USB端子に直接差し込める「ダイレクト接続」タイプがオススメ)
・256MB以上のメモリーは必須。外部メモリーを利用できればベターだが……
・外部入力端子があれば同時通訳レシーバーなどからの録音も可能
・WMA、MP3など汎用性の高い録音形式が便利
●PC対応は必須
オリンパスイメージングの「Voice-Trek V-30」。キャップをはずすとUSB端子が現れるようになっており、PCとダイレクトに接続できる。実売価格1万5800円 |
まずは「PC対応」。多くのICレコーダーは再生や一時停止、巻き戻しや早送り、早聞き再生やA-B間リピートといった操作をサポートしているため、単体で録音した音声の聞き取りやいわゆる“テープ起こし”ができる。だがほとんどの製品は本体内にメモリーを内蔵する「内蔵メモリー型」なので、音声を聞き取って議事録などに記録する前に容量がいっぱいになってしまうと、データをPCなどに待避するか消すかを選択しなければならない。「ほんのメモ程度」という使い方以外は、必ず「PC対応」を明示している機種を選ぶことをオススメする。
PC対応機種には、PCとの接続にUSBケーブルを利用する製品もあるが、USB端子に直接差し込める製品の方がより便利だ。接続してしまえば全く同じように利用できるのだが、間にケーブルが必要か必要でないかだけで、使用感はかなり異なる。こまめに使えば使うほど、ダイレクト接続モデルの便利さが実感できるはずだ。
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