データからの対応策
以上のデータから注目すべきものとして、の4点があげられます。これらから、
などの注意事項を把握しておきましょう。カードそのものが盗難に遭うのと違い、「スキミング」は、カードは手元にあり、情報だけが盗まれるため、被害を気づきにくいものです。誰でも被害に遭う可能性のあるこうしたカード偽造被害への対策、また「非接触式スキミング」等について解説します。
■繁華街のマッサージ・エステ店や飲み屋でのカード利用は避けるだけでなく、そうした店に行くときは所持していないことが被害に遭わない最善の防御策です。
■ゴルフ場では、これまでに大型の被害が発生しているため、ゴルフ場側も警戒しているでしょうから、今後の被害は発生しにくくなると思われますが、その他の貴重品ボックスを利用するような場所でも、貴重品ボックスの暗証番号とカードの番号は違うものにしておきましょう。
ゴルフ場に行くときに、キャッシュカードを持っていく必要があるかどうか? よく考えて、必要な額の現金を用意するか、クレジットカードだけを持っていくようにしましょう。ただし、クレジットカードに署名がなく、暗証番号が誕生日だったりすると被害に遭ったときに損害を補填されませんから注意しましょう。
また、ATM付近に隠しカメラを設置して、暗証番号を入力する人の手元を盗み撮りして、その画像を電波で送り、受信した映像を見て暗証番号を知るケースもあるようです。番号入力時に打ち込む手の上に手や荷物などをかざすなどして盗撮されないように警戒しましょう。
非接触式スキミングとは?
「非接触式スキミング」という、JRのスイカのようにカードにかざすだけで情報を読みとることができる「非接触式ICカード」に有効なスキミングの手口です。混雑した電車内やエレベータ内などで財布の入っているバッグや上着のポケットなどにかざすだけで、情報をスキミングされてしまうのです。複数のカードが入っていても、それぞれのカードの情報が違うためいずれも判明してしまうようです。これに対して、耐磁性がある「ブリキ(スズをメッキした薄い鉄板)製」「金属製」のケースにいれておくと、情報を盗まれる危険性がないのでは?との情報もあります。しかし、完全に密封されていない以上、どこかしらにわずかでもすき間ができてしまうことは避けられず、そのわずかなすき間から磁気が漏れることは、防御のしようはないということです。
この「非接触式スキミング」は、被害に遭っても「それ」による被害かどうかは、被害者にはわかりえないことです。実行者がこれを使ってスキミングをしたと公表しない限り、カードの所有者にはわからないのです。ただし、キャッシュカード、クレジットカード等は、「接触式カード」ですので、こうした「非接触式スキミング」の被害に遭うことはありません。
この「接触式カード」「非接触式カード」については、新規記事「カードスキミングの違いを知る」で解説していますのでご覧下さい。
さらに、ATMから銀行本部には、情報は電話回線によって送られているため、電話線に盗聴器をしかけて、カードの情報と暗証番号を同時に盗んでしまうという手口もあります。この手口は、「スキマー」を使わずに、ATMを利用する人すべての情報が入手できてしまうので、利用者にはまったく防ぎようがないといえます。このような利用者の責任を問えない被害に対しては、金融機関側が現在、被害預金補償などの対応をしていく動きにあります。
p.3…ATM利用と暗証番号/「生体認証システム」とICカード化/あなたの一票