「そうですね。いえ、基本的にはご本人様がご利用されたというように考えますので」
「カメラもパソコンも買っていませんよっ!」
まるで、自分で買っておきながら違うと言っているかのようじゃないか、と激怒しました。ぼったくりの被害で20万円を失った直後なだけに、怒りがこみ上げてしまったのです。
しかし、カード会社の言うこともわかるような気がしました。自分のカードなのですから、自分が利用したと思われるのは当然です。その後は丁寧に説明してくれて、T橋さんには支払い義務がないことがわかりほっとしました。
スキミング被害!
どうやら「スキミング skimming」と呼ばれる被害に遭ったようでした。スキミング=すくい取ること とはカードの裏の磁気データの個人情報をそっくりそのまま盗むことです。手のひらにすっぽり入る程度の大きさの小さな機械スキマー skimmerで、それを通してデータをコピー=スキミング、パソコンでデータを読み取ります。CAT(Credit Authorization Terminal)というカード決済の端末機そのものに磁気データを読みとれるように仕組まれている場合もあり、どちらもシロウトにはわからず一瞬のうちにデータを盗まれます。
おそらく、ぼったくりに遭った店でスキミングをしていたのでしょう。そして全く同じカードが偽造され、偽造クレジットカードで高額商品を購入して、その商品自体が目的か、それを現金化したのか、ということだと考えられます。
しかし、T橋さんは、たまたま請求書を見たからよかったものの(もし気づかずにいたら…)と冷や汗が出る思いでした。
「普段、少額な買い物しかしていない人が、突然、高額な買い物をした」となると、本人でない可能性が高いということで、カード会社では、セキュリティ対策として当人に連絡を取るなどして確認することがあります。
T橋さんは、たまたまぼったくり被害の前の月にも、長年使った冷蔵庫を新しい大型のものに買い換えており、それも20万円近かったので、カード会社ではチェックが入らなかったのです。それに長く使っているカードで、利用限度額も大きかったのです。
請求書は明細をよく見て、いつも確認するようにしましょう。
もしうっかりして引き落とされてしまっていたら?
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