現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、東京都在住67歳男性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール

同居家族構成:本人、妻(64歳)
住居形態:持ち家(マンションなどの共同住宅)
居住地:東京都
リタイア前の雇用形態:会社役員
リタイア前の年収:2000万円
現在の預貯金:8000万円、リスク資産:3億円(株式・投信など)
これまでの年金加入期間:厚生年金480カ月、企業年金240カ月
現在受給している年金額(月額)
老齢基礎年金(国民年金):6万9000円老齢厚生年金(厚生年金):18万円
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):企業年金5万円
配偶者の年金や収入:年金5万8000円(繰り上げ受給と推察)
「年金は資産防衛の一部と位置付けている」
現在の年金額について満足しているか、の問いに「どちらでもない」と回答した今回の投稿者。その理由として「年金自体は生活基盤の保険として安定的だが、投資で十分にキャッシュフローを確保しているため、年金を主軸に考えていない。資産防衛の一部と位置付けている」と語っています。
ひと月の支出は約「40万円」。夫婦の年金だけでは「賄えていない」と回答されています。
「株式配当や不動産収入が毎月100万円前後ある」
現在は「投資顧問業を週2日行っている」ため収入があるほか、「国内外株式の配当収入が年1200万円。不動産賃料収入が年800万円」あるとのこと。支出管理についても「家計簿アプリで資産全体と連動させ、毎月キャッシュフローを最適化している。(生活費以外にかける)消費はリターンが期待できる経験や人脈形成に限定する」とあり、お金の流れをしっかりと管理されている様子です。
「正直なところ、日本の年金制度がどこまで持続可能かという点には疑問を感じている。人口構造の変化や財政の圧迫を考えると、現役世代への負担増や受給額の減額は避けられない。そうした意味で年金に全面的に頼るのはリスクが高い」と投稿者。
しかしながら「周囲の同年代を見ると年金だけに頼って生活がギリギリという人も少なくなく、国の制度に人生を委ねすぎる危うさをあらためて実感する。(自分自身は)制度を信じ切らないで、自ら動いて正解だった」とあります。
「もっと早く海外資産へ分散投資しておけばよかった」
現役時代にもっとこうしておけばよかったと思うことがあるか、との問いには「もっと早く海外資産へ分散投資しておけばよかった。30代のうちから為替ヘッジや新興国市場の成長を取り込む仕組みを作っていれば、資産の伸び方は今よりも格段に違っていたはず。当時は国内株や預貯金を中心に『安定』を優先したが、結果的に資産形成のスピードは緩やかで、時間という最大の武器を十分に生かせなかった」と回答。とはいえリタイア後は「趣味や自己投資に資金を回せている」と第二の人生を謳歌(おうか)しているようで、「特に最近はアート作品の購入や展示会巡りが楽しみで、単なる趣味を超えて『資産』としての側面も感じられるのが面白い」と今の生活の楽しみを教えてくれた投稿者。
くわえて「数カ月単位で海外に滞在する生活も実現でき、異文化の中で刺激を受けることが日々の活力につながっている。経済的な安心があるからこそ、年金生活を『守り』ではなく『攻め』のライフスタイルに変えられているのだと思う」と語り、能動的に人生を楽しまれている姿が印象的でした。
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