Q:厚生年金には過去に一度も加入したことがありません。もし今から会社員として働き、厚生年金に加入した場合はどうなりますか?
「60歳まで国民年金に加入して、老齢基礎年金を受給中です。厚生年金には過去に一度も加入したことがありません。もし今から会社員として働き、厚生年金に加入した場合はどうなりますか? 新たに厚生年金を受給できるのでしょうか?」(68歳・男性)
65歳以降に厚生年金に加入したら、年金はどうなる?(画像:PIXTA)
A:65歳以降に厚生年金に加入すると、すでに受け取っている老齢基礎年金に加えて、厚生年金に加入した分の老齢厚生年金を受け取れます
質問者さんは現在68歳で老齢基礎年金を受給中、これまで厚生年金の加入歴がないとのことですが、65歳以降に厚生年金に加入した場合でも、加入期間に応じて、すでに受け取っている老齢基礎年金に老齢厚生年金が加算されます。65歳以降に厚生年金に加入して働く場合、毎年9月1日に在籍していれば、前年9月から当年8月までの厚生年金加入期間が反映され、その分の老齢厚生年金が10月分以降に支給されます。これを「在職定時改定」といいます。
例えば2025年1月から勤務を開始し厚生年金に加入した場合、2025年1~8月分の加入実績が反映され、2025年10月分から老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされます。振込は年金の支払いスケジュールにより、2025年12月中旬以降になる見込みです。ただし、勤務先が「厚生年金被保険者資格取得届」を提出してから年金額の計算が行われるため、事務手続きの時期によっては支給開始が12月中旬より遅れる可能性もあります。
厚生年金の加入時期による違いは以下の通りです。
・2025年9月2日以降に加入した場合……
2025年の在職定時改定には間に合わないため、2026年9月1日に在籍していれば、2026年10月分から反映されます。
・途中で退職した場合……
厚生年金保険料は支払い損にはなりません。退職後1カ月ほどで、それまでの加入実績に基づいて老齢厚生年金が再計算され、老齢基礎年金に上乗せして支給されます。例えば、2025年10月1日に就職し、2026年8月25日に退職した場合、その加入期間に基づいて2026年9月分から老齢厚生年金が計算され、数カ月後に支給されます。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)