Q:年金生活者支援給付金制度って何ですか? 令和7年度はいくらもらえますか?
「年金生活者支援給付金制度とは何ですか? お金に困っていたらもらえるんでしょうか? 令和7度はいくらもらえますか?」(匿名希望)
年金生活者支援給付金制度とは(画像出典:PIXTA)
A:公的年金等の収入額が、一定基準よりも少ない人に支給されます。老齢年金生活者支援給付金の額は、月額5450円(令和7年度)を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出されます
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入額が一定基準よりも少ない人の年金に上乗せされて支給されるものです。消費税の増税分が活用されています。年金生活者支援給付金は、老齢生活者支援給付金(収入により「補足的老齢年金生活者支援給付金」)、障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金の3種類があります。
老齢生活者支援給付金(収入により「補足的老齢年金生活者支援給付金」)は、老齢基礎年金を受け取っている方が対象となりますが、所得制限があり、次の要件を全て満たしている必要があります。
(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者
(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税
(3)前年の公的年金等の収入金額(障害年金・遺族年金等は含みません)とその他の所得との合計額が、昭和31年4月2日以後に生まれの人は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの人は88万7700円以下※
※昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
補足的老齢年金生活者支援給付金は、老齢年金生活者支援給付金の要件をあと少しで満たせずに支給されなかった人と、老齢年金生活者支援給付金の支給を受けた人との間で、所得の逆転が生じないようにするためのものです。
支給される老齢生活者支援給付金は、次の【1】と【2】の合計額となります。給付額は毎年度改定があり、令7年度は以下の計算式で算出します。
【1】保険料納付済期間の受給額(月額)=5450円×保険料納付済期間/480カ月
【2】保険料免除期間の受給額(月額)=1万1551円×保険料免除期間/480カ月
例えば、納付済月数が60カ月、全額免除月数が240カ月の場合を上記計算式で算出すると、老齢生活者支援給付金の支給額は月額6457円となります。
【1】5450円×60カ月/480月≒681円
【2】1万1551円×240カ月/480月≒5776円
<合計>【1】681円+【2】5776円=6457円(月額)
給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金請求書の提出が必要です。初めて老齢基礎年金を請求する人には、老齢基礎年金の請求書に給付金請求書が同封されます。
すでに基礎年金を受給しており、新たに受給要件を満たすことになった方へは、簡易な請求書(はがき型)が、9月ごろから順次発送されます。届いた人はもらう権利がありますので、請求しましょう。
【参考】厚生労働省
年金生活者支援給付金制度について
※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)