一人旅

【奈良】多彩なホテルが続々オープン! ニーズに合わせて選びたい「一人旅だからこそ」の宿

京都から近鉄特急で約40分で到着できる奈良は、これまで宿泊施設の数も限られていましたが、近年、奈良市内中心部にさまざまなタイプの宿泊施設が続々オープン! ニーズに合わせて自在にチョイスできるように。一人旅の拠点にもおすすめです!

塩田 典子

執筆者:塩田 典子

一人旅ガイド

京都を拠点に日帰りで足を運ぶことの多かった奈良。実際のところ、宿泊施設の数が限られていたことも事実です。しかし近年、奈良市内中心部に続々と新しい宿泊施設が開業。それぞれにタイプが異なり、宿のチョイスが格段に楽しくなりました。もちろん、一人旅の拠点にもおすすめ。今回は実際に筆者が宿泊または現地視察をし、その魅力を体感した厳選宿5軒をご紹介します。
<目次>

【奈良ホテル】115年の歴史と伝統を今に伝える「関西の迎賓館」

奈良のホテルの代表格として、100余年の伝統を受け継いできた「奈良ホテル」は、奈良の宿を語る上で欠かすことのできない老舗のクラシックホテル。

明治42(1909)年に奈良公園に創業。本館の建築は東京駅などを手掛けた建築家・辰野金吾氏によるもので、「関西の迎賓館」といわれ、国賓や皇族に愛されてきた歴史があります。筆者も20年以上前に宿泊したことがあり、ロビーの階段で記念撮影をしたことや、メインダイニングでの優雅なディナーが脳裏に焼き付いていました。
「奈良ホテル」の夜の外観

正面玄関に明かりが灯る、夜の「奈良ホテル」

正面玄関を入ると、20年前と何ら変わらない木造建築の粋を極めたロビーに改めて魅了されました。そう、ホテル最大の魅力は何といっても建築的意匠にあります。天平瓦の屋根を葺いた2階建の木造建築の本館に入ると、赤絨毯(じゅうたん)の敷かれた吹き抜けのロビーに圧倒されます。
赤絨毯の敷かれた階段

本館1階から2階へと続く、赤絨毯の敷かれた階段は記念撮影スポット

正面の階段、寺社建築を思わせる2階部分の手すりや格天井、春日大社の釣灯篭(つりどうろう)を模したシャンデリアなどが目を引く中、鳥居の組み合わさった暖炉は遊び心が感じられました。
本館2階の吹き抜け

本館2階の吹き抜けには、クラシカルな照明が設置される

鳥居をあしらった暖炉

本館1階のフロント前には鳥居をあしらった暖炉が

本館ロビーの「桜の間」は、17:00~20:00からは宿泊者専用スペースとしてフリードリンクが用意されます。
本館ロビー「桜の間」

本館ロビー「桜の間」

壁際にはアインシュタイン博士が滞在時に奏でたというピアノが置かれています。ピアノを弾く博士のモノクロ写真も掲示され、往時を偲(しの)ばせます。
本館ロビー「桜の間」に置かれたピアノ

本館ロビー「桜の間」のピアノはアインシュタイン博士も弾いたとか

廊下のショーケースには、懐かしいモノクロ写真の数々やかつて使用されていた銀食器やアメニティ、団扇(うちわ)など、貴重な品々が展示され、悠久の年月を振り返ることができます。
展示ケース

ホテルの歴史を物語る展示品がずらり

お待ちかねの夕食は、創業以来、受け継がれるメインダイニング「三笠」で、正統派のフランス料理をいただきます。正倉院文様の絨毯が一面に敷かれ、格天井からは行灯(あんどん)型の照明が灯り、和洋折衷の趣が感じられます。
メインダイニングルーム「三笠」

メインダイニングルーム「三笠」

この日はディナーコース「春日~KASUGA~」(1万7000円)をいただきました。9~11月のメニューでは魚料理にサーモンムニエル、肉料理に牛フィレ肉のグリエが提供され、いずれも秋の大和野菜が彩りよく飾り付けられ、目も舌も存分に楽しませてくれました。
メインダイニングルーム「三笠」のディナーコース「春日~KASUGA~」の魚料理

メインダイニングルーム「三笠」のディナーコース「春日~KASUGA~」の魚料理、サーモンムニエル イクラをのせて カボス香るムニエルソース

メインダイニングルーム「三笠」のディナーコース「春日~KASUGA~」の肉料理

メインダイニングルーム「三笠」のディナーコース「春日~KASUGA~」の肉料理、牛フィレ肉のグリエ 茸と栗のソテー ビーフエキスのソース(2024年11月提供)

食後はクラシカルなバー「THE BAR」で、オリジナルカクテルや季節のフルーツを用いたカクテルを傾けて、長い夜を過ごすのもいいでしょう。
本館1階の「ザ・バー」

本館1階の「THE BAR」

一人旅なら本館スタンダードダブルルーム、またはツインルームに宿泊を。創業当時の暖炉のある本館でノスタルジックな時を過ごしてみたいもの。2食付きのほか、朝食付き、素泊まりとニーズに合わせてプランが選べる自由度の幅広さがうれしいです。朝食は3種類から選べますが、筆者のおすすめは奈良のご当地食、茶がゆ定食。食べ飲み疲れの胃を優しく労ってくれます。
奈良ホテル本館のスタンダードツインルーム

奈良ホテル本館のスタンダードツインルーム

滞在の記念にはホテルオリジナルアイテムを。人気No.1のクッキー缶は、正倉院文様の宝相華(ほうそうげ)がデザインされた缶の中に10種のクッキーが詰まっています。
オリジナルのクッキー缶とコーヒー

正倉院文様の宝相華がデザインされたクッキー缶と、ティーラウンジで提供されているコーヒー

ほかにもティーラウンジで提供されるオリジナルコーヒーや総料理長が監修したカレーやホテルメイドのパウンドケーキなど、売店では多彩なアイテムが見つかります。

奈良ホテル
・住所:奈良県奈良市高畑町1096
・TEL:0570-66-6088(ナビダイヤル)
・交通アクセス:近鉄奈良駅からタクシーで約5分、またはJR奈良駅からタクシーで約8分(無料送迎バスあり<定時>)
 
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