そこでおすすめしたいのがポリ袋や鮮度保持袋。上手に活用すれば1週間以上新鮮なままで野菜を保存できます。ここでは活用した場合と、そうでない場合を比較してみたので参考にしてみてください。
<目次>
野菜は袋に入れて保存した方がいい……その理由を深掘り!
野菜は収穫後も生きており、呼吸・蒸散・生長を続けています。そのためそのままにしておくとだんだんと鮮度が落ち、劣化が進み、傷みが出てしまいます。中でも葉物野菜(ほうれん草・白菜など)や果菜(トマト・なすなど)は袋に入れ、野菜室で保存することで長持ちさせることができます。
ビニール袋とポリ袋って何が違うの?
袋は素材によって呼び名が違い、ここで取り上げる袋は「ポリ袋」です。ちなみにレジ袋や野菜を入れるために用意されている袋は全てポリ袋。日本でプラスチック製の袋が広まった当初は、ビニール袋が使われていたので今でもその呼び名が残っているようです。■ビニール袋
塩化ビニル樹脂(塩ビ)で作られており、ポーチやペンケース、透明のテーブルクロスなど、強度が必要なものなどで使われています。ビニール袋は軟質の薄いタイプですが、ポリ袋と比べると厚みがあり、しっかりとしています。
■ポリ袋
ポリエチレンやポリプロピレン(合成樹脂)が原料で、薄くて破けにくく、ごみ袋・レジ袋に使われています。野菜を袋に入れて保存と言われたら、ポリ袋が想定されています。最近だと植物由来のバイオマスポリ袋などもあります。
葉物野菜・果菜の保存で気を付けるポイント
野菜の保存では《水分・温度・エチレンガス》をコントロールすることが大事です。- 水分:野菜は乾燥し過ぎるとカサカサに、水滴がついたままだとどろっと溶けてしまいます。乾燥の予防のために袋へ。濡れている場合は必ず水分を拭き取ってからポリ袋に入れましょう。
- 温度:温度を低くすると、野菜の呼吸が抑えられ、栄養損失が減り、劣化が遅くなります。冷蔵室は3~5度程度、野菜室は5~7度程度。野菜に合わせた場所で保存します。ただし冷やし過ぎると低温障害を起こして劣化することもあるので気を付けましょう。
- エチレンガス:野菜は収穫後もエチレンガスを発生させています。このガスは、野菜を成長・熟成させる植物ホルモンで劣化を促進します。ポリ袋に入れてエチレンガスの影響が周りに及ばないようにしましょう。
ポリ袋もいいけれど、鮮度保持袋を活用してみよう!
鮮度保持袋の機能は大きく分けて2つあります。- 水滴を防ぐ:蒸散(野菜が水蒸気を発散すること)による水分がたまらないつくりになっているので、蒸れにくい。そのおかげで湿度が適切に保持されます。
- エチレンガスを吸収:袋にエチレンガスを吸収できる成分が含まれており、劣化が進みにくい。
- 両方の機能を持つタイプ
メーカーから出ている高機能のものもあれば、100円均一でも手に入るものもあります。
ほうれん草を1週間保存してみよう
ここで取り上げた袋で、ほうれん草の1週間保存にチャレンジしてみました。使用したのは以下の3つの袋です。
- 透明感のある薄手のポリ袋
- 鮮度保持袋(エチレンガス吸収タイプ)
- アイラップ(エンボス加工が施された半透明のポリ袋)
ちなみにアイラップは筆者が愛用しているもので、袋状のラップでおなじみの商品です。
実験方法:ほうれん草をポリ袋に入れ、空気を抜き、密閉。野菜室に入れて1週間保存します。
5日後 ポリ袋は袋が膨らみ、水滴が。アイラップ内は少しだけ水滴が発生しています。鮮度保持袋は変化なし。いずれも鮮度は保ったままです。
1週間後 袋から出してみましたが、どのほうれん草もみずみずしく鮮度が保たれていました。途中、水滴の発生が気になりましたが、1週間程度の保存なら特に問題ありませんでした。
ちなみにポリ袋で保存しなかった場合、ほうれん草は以下のように2日でしなしなになってしまいました。 今回はほうれん草で実験しましたが、葉物野菜や果菜を保存する際はポリ袋に入れ、空気を抜いてからきちんと閉じたものを、野菜室で保存することをおすすめします。どんなポリ袋でもいいですが、鮮度保持袋や抗菌作用のあるものならよりよい保存状態が保てるので上手に活用してみてください。